2017年1月からの新連載「アジアの街角〜陸奥の風」は、東北のニュースサイト「TOHOKU360」と、アジア各地からニュースを届けるニュースサイト「シンガポール経済新聞」及び「ムンバイ経済新聞」、シンガポール唯一の日本語週刊誌「週刊SingaLife」の4媒体が国際ニュースネットワークを築き、お互いの地域の現地ニュースを交換し合う取り組みです(詳細)。

第一回は「シンガポール経済新聞」の小里博栄編集長からの寄稿で、アジアをフィールドに国際的に活躍している東北人をご紹介します。

「東北には更なるブランド戦略が必要だ」

キリンホールディングスシンガポール社長・宮本隆之さん(51)

--青森・弘前市生まれで、大学時代は仙台で過ごしたそうですね。東北の魅力を教えて下さい。

大自然、食、日本酒……本当に色々あります。仙台で飲んだお酒では、浦霞、勝山酒造、一ノ蔵がおすすめです。飲み物では青森のりんごジュース、祖母が作ってくれてたほっけのみりん付け焼きが懐かしい味ですね。新鮮なお魚も多く、心踊る祭りもあり。特に弘前のねぶた祭りは、参加するのが本当に楽しみになるほどです。

--2014年からシンガポールで「キリンホールディングスシンガポール」の社長に就任されました。アジアでのビジネスには、何が大切だと感じましたか。

 やはり個人のネットワークだと思います。自ら行動し、活きた情報を得る。人は貴重な情報源であり、そのネットワークを構築することは本当に大切なことです。アジアの人に東北と日本の魅力について知っていただきたいし、東北、日本の方にもアジアの魅了を知っていただきたい、と思っています。

--東日本大震災後は、復興支援活動をされていたそうですね。

 3.11の時は、上海で出張中でした。関西空港に到着したとき、テレビで想像ができないほどの津波を見て衝撃を受けました。自分に身近なところでは、仙台のキリンの工場で巨大なタンクが倒れていたり、大学生のころよくドライブや海水浴に行っていた仙台・荒浜の海岸が大きな被害を受けていたりするのを見て、大変ショックを受けました。

 キリンとしては復興のためにさまざまな活動を始めました。自分自身はその中で、被災地でホタテ養殖場のお手伝いをしたり、香川真司さんら現役・OBのサッカー日本代表選手の方をお呼びし、サッカーを通じた被災地の子供たちの交流を進めたりしていました。

--東北の皆さんへのメッセージをお願いします。

 3.11を忘れず、立ち直り、明るい将来を築いていただきたい。東北だからとか福島の原発があるからと差別はしてほしくないし、まだある国内外の風評被害をどうにか克服していきたい。東北の人も力強くやるべきことをやり、盛り上げて行ってほしいです。

 僕も東北にはいい思い出がたくさんあり、日本と海外の人にもっと東北を知っていただき、訪れてほしいと思っています。東北に来て、いっぱいある良さを体験していただき、自然と食、お酒と雪も、温泉も堪能してほしい。

 一方でまだまだ東北を訪れる人が少ないと感じており、更なるブランド戦略が重要だと思っています。東北が安全であり、魅力あふれる場所であることを、僕も、政府も、東北の県も、みんなでもっとアピールして伝えて行く必要があると思います。春の桜、夏のお祭り、秋の紅葉、冬の雪景色……どこの地にも負けない素晴らしい情景とおいしい食べ物があることを、約束させていただきます。

■宮本隆之

1965年、青森県弘前市生まれ。小学校以降から東京、北海道帯広市、函館への転居を経て、大学時代は仙台で過ごす。1989年、“食”への興味からキリンビールに入社。日本のほかにアメリカやオーストラリアで勤務経験があり、2014年からシンガポールに赴任、キリンホールディングスシンガポールの社長を務める。

(インタビュー・文 小里博栄/シンガポール経済新聞)




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