犠牲者の多くは簡易な防空壕の中で亡くなった。一家が全滅したケースもあったという。戦時中に造られた防空壕は、ほとんどが埋め戻されて見ることはできないが、青葉区北山にある神社の境内に横穴式の壕が当時の姿で残されている。
JR仙山線の北山駅に近い御嶽三吉神社。社殿の脇の石段を下ると、南東に向いた斜面に防空壕の入り口があった。入り口は幅、高さとも約1.5㍍。内部は地下水が染み出していて、不快な湿気が体にまとわりつく。頭上に注意しながら15㍍ほど歩くと天井が高くなり、右手に四畳半ほどの部屋が現れた。さらに約5㍍進んだ地点で行き止まりとなった。
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