【若栁誉美通信員=宮城県仙台市】 仙台市若林区のゲストハウスで、8月11日に土鍋でご飯を炊いて食べる会が開催された。夏休み時期とも重なったことで世代も国籍も多様な方々が集まり、まさに字のごとく「同じ釜の飯を食べる」喜びを味わった。




お盆休み初日の8月11日土曜日、朝8時。仙台駅から徒歩15分、仙台市若林区東七番丁。荒町商店街から路地を入ったところにあるゲストハウスKIKO。ダイニングテーブルには、カセットコンロに乗った 土鍋5台、手作りのおかずが並んでいた。

色とりどりのおかずが並び、朝ごはんの準備は万端。

KIKOは2018年6月にオープンしたばかり、学生寮をリノベーションした建物をゲストハウスとして活用している。ゲストハウスはホテルと異なり、安価で宿泊できるのが魅力。長期滞在する外国人向け宿泊施設として日本でも増えてきている。 今回は、KIKOに滞在中の宿泊者を中心に年齢も国籍も多彩な15人が集まった。筆者は普段朝ごはんを食べないが、旅先で食べるように朝ごはんを楽しんだ。

土鍋でご飯を炊く文化を、次の世代にも伝えたい

「土鍋でご飯を炊くなんて、めんどくさいじゃん!と思いますよね。」この日、ご飯の炊き方をレクチャーした「土鍋家」の高田真由さんは言う。「でも、毎日毎食土鍋を使わなくてもいい。月に1回でも土鍋を使うことで、普段の生活とはちょっと違うことができる。生活の選択の幅が広がるっていいと思うんです。」

炊飯器を使わずに土鍋でご飯を炊く場合、火にかけている間はずっと目を離せない、他のことができない・・・と思っていた。実際の手順は

・お米に浸水(20分以上)

・中~強火で、10分程度で沸騰させる

・火を弱めて2~3分

・火を止めて20分蒸らす

以上の4ステップ。火のそばについているのは、沸騰からの十数分のみで大丈夫。 手順のレクチャーを受けて、正直「え?これだけでいいの?」と思った。

美味しく炊けたご飯には、かにあなができる

「赤子泣いても蓋取るな」というのは、かまどで炊飯する時の常套句だが、高田さん曰く「加熱している時なら蓋をあけても大丈夫ですよ。」とのこと。

塩梅よく炊き上がった時には、炊き上がりのご飯に「かにあな」と呼ばれる穴ができる。満遍なく熱が行き渡って、水分が均等に抜けて行くと、蟹が砂の中から海水を吐き出す時にできるような穴ができるから、かにあな。

「土鍋の中の水分量を見て、音、匂い、五感ぜんぶを使ってご飯を炊けるのが、土鍋の魅力です」(高田さん)

徐々に沸騰してくるぐつぐつという音、ご飯の炊ける時の匂い、蓋を開けてつぶの立ったご飯を見るうれしさ、炊きたてをしゃもじで混ぜる手の感覚、そして炊きたてのごはんを食べるおいしさ。

そして、「同じ釜の飯を食う」。この諺は、万国共通だった。「おかわりありますよ!」「卵焼き食べましたか?」と同じテーブルでの食事を通じて、言葉の壁はありながらもコミュニケーションを取れる距離感になっていた。この日のゲスト(滞在者)は、オーストリア、台湾、イギリス、ハワイからの方々。ごはん会が終わった後も、SNSのアカウントを交換したり、ゲストの方が淹れたコーヒーを飲みながら交流を深めた。

今後も月に1.2回のペースで、ゲストハウスKIKOで同様の朝ごはん会が開かれる予定。またKIKOでは、滞在者との交流イベントが随時開かれている。

美味しいご飯は万国共通。仲間、という意味のcompanyは、「共にパンを食べる者たち」が語源だという。焼きたてパンも美味しい。炊きたての土鍋ご飯も美味しい。美味しい食事で繋がる輪は、これからさらに広がっていくだろう。

若栁誉美通信員】
仙台市在住。朗読(リーディング)ユニット100グラードGM。THE EAST TIMES 記者。
主な取材エリア:仙台市

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