【相沢由介=仙台市・南三陸町】政府は農林水産品やその加工品など、食品の輸出拡大を成長戦略の一つに位置づけ、これを強く後押ししています。しかし、特に首都圏以外の地方においては小規模な生産者やメーカーが多く、それらが単独で輸出する、あるいは海外市場でマーケティング活動を行うのは大変難しいことで、このことが日本の食品輸出拡大における大きな課題になっています。東北の食品輸出の現状を取材しました。

宮城県南三陸町の水産加工品製造・販売会社「ヤマウチ」の工場での加工の様子(相沢由介撮影)

 輸出を含めた食品の海外展開を支援する仙台市の株式会社桜波の阿部錬平さんは、東北の食品の海外輸出、その現状についてこう話します。

 「例えばジャガイモのようにありふれた商材は、すでに大手商社が大多数の末端消費者をターゲットとするコンシューマー商品として海外市場に供給しています。地場産品の売込みには、地域の特色を付加価値としてアピールする必要がありますが、そもそも海外に出れば、東北ってどこ?というところから始まるので、中小の一社が乗り込んでアピールしたところでどうしようもないんです」

 地方の食品の海外への売込みには、点ではなく面でのアクションが必要とのこと。しかし、東北ではこれが上手くいっていないそうです。

 「企業同士が団体を組もうと思っても、お互いが競争相手でもあるのでまとまらないんです。北海道は、道が音頭をとって企業をまとめることで、海外に通用する北海道ブランドを確立できました。でも、東北はこれができていません。“商談を3つ4つやったんだけど、どこからも話が来ないからもうやめる”。このように、1年2年で失敗する企業がほとんどです」

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