海外輸出の計画設計ができる企業は、国内の売り上げも伸びる

 株式会社桜波は現在、宮城県南三陸町で鮮魚や水産加工品の製造・販売を行う株式会社ヤマウチの海外展開を支援。焼き魚を真空パックした『しっかり朝ごはん 焼魚シリーズ』のオーストラリアへの輸出を目指しています。ヤマウチ取締役の山内淳平さんが海外輸出の担当となり、阿部さんのレクチャーを受けながら受発注、生産計画、規格管理等の社内体制を見直し、海外輸出までの全体計画の策定を行っています。実際にオーストラリアの市場を視察してきた山内さんは、「オーストラリアに商品が並んでいるメーカーは、国内の販路においても体制がしっかりしているところ」と実感したそうです。

ヤマウチで海外輸出を担当する山内淳平さん。阿部さんのレクチャーをふまえ、海外輸出の全体計画をつくっていく

 同じ食品でも、東京に売るものと関西に売るものでは、それぞれの地域によって味付けが異なり、配送ルートが異なり、売り方が異なります。海外に商品を売るのもこれと同じことだと阿部さん。

 「つまり、国内のレベルをあげないと海外対応はできない。地方では、古くからの縁故を頼りに経営をしていて、そもそも売り上げの数字目標を決めたこともないという企業が非常に多いです。そういう企業は、海外展開を目指す前に東京できちんと売っていますかと。国内市場が縮小しているから海外だとよく言われますが、その言説を商品が売れない理由にして海外を目指そうというのは間違いです」

 企業の海外輸出を支援する仕組みは沢山あります。公的機関が海外についてのリサーチデータを詳細に公開。海外輸出をセクションごとにサポートするコンサルタントも豊富です。前述のように補助金も豊富。

 しかし、「生産者から海外の消費者へ商品が届くまでの“全体”の計画がなければ、企業はデータもコンサルタントも活用できない」と阿部さん。その全体を描ける人材の不足が、東北の食品の海外輸出における課題とのこと。

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