[PR記事]原子力発電によって発生した核のごみ「高レベル放射性廃棄物」の処分を、どのように進めたらよいのかーー。国が長年にわたり頭を悩ませ続けているこの難問を、大学生ら20代以下の若者たちだけで議論するイベントが3月5日、仙台市で開かれた。主催者は「将来を担う世代が、この問題を考え続けるきっかけになれば」と話す。

10年以上応募のない「高レベル放射性廃棄物」の処分候補地

仙台市青葉区のカフェで開かれたイベント「エネルギーとぼくらのアクション」

午後6時から、仙台市青葉区のカフェを会場に開かれたイベント「エネルギーとぼくらのアクション」。若者がエネルギー問題を考えるきっかけを作りたいと考えた一般社団法人E&Eの主催で、会場には約10人の20代以下の若者が集結した。この問題について地方での議論を活性化させたい思いを持つ経済産業省資源エネルギー庁の担当者も、東京から訪れた。イベントではまず議論の前提として、同庁担当者が現状の課題を説明した。

原発から発生するごみのうち、放射能レベルが高い「高レベル放射性廃棄物」。その正体は、原発で使い終えた燃料をリサイクルして再度燃料として利用した際に発生する、廃液だ。廃液は高温のガラスと溶かし合わせて、ステンレス製容器に流して固めて処理をする(ガラス固化体)。資源エネルギー庁によると、日本ではこれまでの原発の稼働分だけで、「ガラス固化体」にして2万5千本分の高レベル放射性廃棄物が存在する。

高レベル放射性廃棄物を「より安全に処分する方法」として国が進めるのは、ガラス固化体を地下300メートル以深の岩盤に作った地下施設に埋める「地層処分」という方法だ。国は2002年からこの「地層処分」の処分施設を建設する自治体を公募してきたが、これまで応募はたった1件。2007年に高知県東陽町が応募したのみだったが、その東陽町でも反対運動が起き、応募は取り下げられた。以来、地層処分の候補地として手を挙げる自治体はなく、資源エネルギー庁は全国各地を飛び回り、あらゆる地域の住民との知識の共有や対話の機会を模索している状態だ。

「まちの願いを叶える」「アイドル化」……奇抜なアイデア飛び出す

グループになって議論する参加者

現状の課題と前提知識を共有し、質疑応答が終わったところで、いよいよ大学生らの議論がスタート。この日の議題は、10年以上処分候補地の応募がない中、どうすれば自治体が応募しようと思うのか、についてだった。

大学生らは真剣に議論をしながらも、柔軟な発想で解決策を模索。「授業で教える」「すでに地層処分に取り組んでいるフィンランドの人に来てもらい、先行事例を説明してもらう」「自治体が最も叶えたい願いを叶えてあげる特区に指定する」「賛成する人だけが住む自治体を新たに作ってしまう」「アイドル・ヒーロー化し、全国からのファンで税収を増やす」……など、主催者や資源エネルギー庁の担当者も思わず目を丸くするような奇抜なアイデアが飛び出した。

資源エネルギー庁放射性廃棄物対策技術室長の吉村一元さんは「処分場は誰もが望むような施設ではない。技術的な説明をするだけではなく、処分場ができる街がどうなっていくのか?街のためになるものは何なのか?という、まちづくり的な視点が大事だというヒントをいただいた」と話す。

「関係ない」と考えていた問題を、「自分ごと」に

問題解決のアイデアを考える参加者

このイベントの目的は、この1時間程度の議論で結論を出すことではない。「より長い期間で核のゴミの問題と向き合わなければならなくなる若い世代が、この問題を知り、考えるきっかけを作ることが大事」だと、主催者の一般社団法人E&E山縣哲さんは話す。

イベントに参加した宮城大4年の畠山千怜さんは「今まで自分には全く関係ない問題だと思っていたけど、今回イベントに参加して、考えれば考えるほど、いつ自分ごとになってもおかしくない問題だと思った。あまり議論されていないけど、原発を今後どうしていくのかを考えていくときにも必要な判断材料だと思う。今回少し知識がついたので、分からない友達に教えてあげられたら」と語った。大学生らにとって、今まで考えたこともなかった問題を自分ごととして捉えて議論する、意義深い時間になったようだ。

今回の学生らの議論を見守っていた東北大名誉教授の北村正晴さん(工学博士)は「人の考えはものすごく変わるし、社会はがらりと変わるので、今は難しくても色んなアイデアを出すということは大変いいことだと思う。国の施策を信用できないという方も多いが、国に自分たちのアイデアを出し、変わることを信じてチャレンジし続けていけば、社会は変わるはず。電磁波や遺伝子関係の技術など、あらゆる技術が社会との間に“きしみ”を起こしている現代においては、その価値のぶつかり合いを議論を通じて解決するというのが基本だと思っている。非常にダイナミックな知識生成プロセスを拝見し、楽しかった」と締めくくった。

主催者の山縣さんらは今後も仙台で同様のイベントを開催していくことで、若い世代がこの問題を理解し、議論できる土台を地域で作っていくつもりだ。

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