【インドを視る③】インド国際会議の討論会 大自然と課題が見えた視察

連載コラム・インドを視る】急成長を続けるインド。ムンバイ経済新聞編集長であり、インドでビジネスを展開する小里博栄さんが、現地の経済から人々の文化・生活まで、肌で感じた「インドの今」をリポートします。

討論会でインドの保護問題について議論、視察ではバリパラ財団と共に東ヒマラヤへ

東ヒマラヤアッサム州のGUWAHATI空港行きのバスで執筆している。この地では素晴らしい象に虎、鳥の保護区域視察を終え、これからコルカタ、バンコクを経由しシンガポール1日滞在した後、東京と仙台へと移動予定だ。

初めて農村地帯と動物保護の現場をBALIPARA財団のご協力のもと視察させていただいた。色々考えさせられた数日間であった。筆者はこの10年、リゾート地・ゴア、ジャイプール、ジョッドプール、タージマハールへの旅の数日間以外は基本、インドの大都市で仕事をしている。今回は改めてインドの豊かな自然を知る機会を得ることができ、大国の奥深さを感じさせられた。

国際会議では、インドでの様々な保護の問題について議題にあがった。2日間朝から晩まで100名以上参加した討論会で、パネルディスカッション等が行われた。インドではよくあることだがスケジュールは大きく遅れ、3時間程当初のスケジュールとズレが生じた。インド人は本当にお喋り好きで、マイクを渡すと「酔った」様子で熱弁していた人もいる。基調講演はチベット大統領が担当。彼のみならず、素晴らしい方との交流も財産になった数日であった。

しかし、ホテルでの討論は「討論のみ」だ。やはり現場に行き、自然の偉大さと課題を住民と直接話すなかで真の姿が見えてきた。全てやはり現場が重要。もちろん施作、戦略の討論は必要だが、現場のニーズが理解できないことには何ごとも進まない。

農村地帯に住む子ども達と川で偶然会った。大自然で生活する子ども達の無邪気な笑顔を見ていると、未来は明るいのではないかと感じた。子どもの可能性は無限大。インドだけでなく世界には多数問題はあるが、子供の笑顔を見て大自然に身を置き、青い空と森の大きな緑の木々を見上げながら、「自分は小さい存在だが、もっとできるはず」と心の底から思った。自分がどう貢献できるかを再度考えながらチャイ茶を堪能した瞬間が、忘れられない記憶となった。

ヒマラヤの農村地帯にいる子ども達。明るい笑顔に魅せられる

*小里博栄
株式会社LA DITTA代表取締役、シンガポール経済新聞・ムンバイ経済新聞編集長。神戸生まれ、オックスフォード大学院卒。英ヴァージングループ、ダイソンの日本市場進出・マーケティングを経て、株式会社LA DITTAを創業。インド、シンガポール、日本、欧州などでグローバルに事業を展開する。インドでは2007年からビジネスを展開、インド最大の「クールジャパンフェスティバル」(15万人来場)を5年開催。日印文化交流の担い手として、日本食材の輸出、アンテナショップ事業、中小企業庁販路拡大事業、観光庁中間富裕層の訪日促進事業などマルチに活躍中。

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