「キリバスは地球環境問題の最前線」仙台在住の名誉領事オノさんに聞く

ーー国土保全以外の政策としてはどのようなものがありますか?

オノ 政府としては1センチ、1ミリの単位で国土を守るのが基本ですが、最悪の、そのまた最悪のシナリオとして、全国民を海外移住させる話があります。かなりセンセーショナルに取り上げられていますが、残念ながら選択肢の一つです。気候変動のため島に住めなくなる人たちは好きで離れるわけではありません。最悪の事態を迎えて、キリバスの人たちがどこかに移住しなければならない場合でも「尊厳ある移民」でなければなりません。

僕たちキリバス人は、環境難民には絶対になりたくありません。10万人が難民になって、どこかの国の難民キャンプに収容され、食料支援を受けて、日がな1日、目的もなく過ごす。そういうことはあってはなりません。

キリバスの実情を訴えるケンタロ・オノさん(2016年10月12日、仙台市内で。撮影:佐藤和文)
キリバスの実情を訴えるケンタロ・オノさん(2016年10月12日、仙台市内で。撮影:佐藤和文)

ーー「尊厳ある移民」を可能にするポイントは?

オノ 「尊厳のある移民」というコンセプトの一番の柱は、国民に対する職業訓練です。今、やっているものとしては、電気工、機械工、建設工になるための訓練があります。キリバス政府が運営している職業訓練校で行っています。オーストラリアで有効な資格をとらせます。オーストラリアで働ける技術があれば世界中どこでも仕事ができるはずです。これまでに100人ほどが資格を取得しています。

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