LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)をはじめとする性的少数者ひとりひとりの写真を撮影することで、性的少数者への理解を広げようとするプロジェクト「OUT IN JAPAN」の撮影会が21日、仙台市のライブハウス「仙台PIT」で開かれた。

撮影を担当したのは、レディー・ガガさんや浜崎あゆみさんら数多くのアーティストを撮影してきた、写真家のレスリー・キーさん。撮影には約100人の応募があり、レスリーさんはひとりひとりのキャラクターに合わせてポーズなどを提案し、場を盛り上げながら写真を丁寧に撮影していた。(安藤歩美)

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性的少数者を「可視化」するために

 「OUT IN JAPAN」は昨年4月に東京で始動。NPO法人「グッド・エイジング・エールズ」が企画運営し、大阪や福岡などの地方都市も回りながら、性的少数者を対象にした撮影会を開いている。

 なぜ、写真を撮影するのか?イベント主催者は、その意味を「性的少数者の可視化」にあると説明する。「性的少数者は目に見えないマイノリティーと言われており、その人が言わなければわからない。そのため、周囲に存在しない珍しい存在であるかのような誤解がされています。そのことが、性的少数者への差別や排除につながってしまうのではないかと考えました」

 電通が昨年4月に発表した調査では、国内の性的少数者の割合は7・6%。13人に1人が該当することになり、30人学級ならクラスに2人はいる割合だ。「性的少数者の人々を『可視化』することで、こんなにいるんだ、とわかる。性的少数者が身近にいる存在なのだと知ってもらえるし、性的少数者にとっては『自分は一人ではなかったのだ』という気づきにもつながると考えました」と、主催者は意図を説明する。

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レスリー・キーさんが撮影した性的少数者の人々のポートレート

亡くなったパートナーの写真とともに

 撮影に臨んだ人々は、それぞれが特別な思いを持ってこの日を迎えていた。撮影会のために東京から訪れた大沼航平さん(23)は、午前4時に仙台に到着し、沿岸部の被災地を見学してから撮影会場を訪れた。撮影後、「レスリーさんに撮影してもらい、楽しかった。性的少数者であることをとても悩んだ時期もありましたが、こんなに多くの人が参加しているのを見て、一人じゃなかったのだと心強くなりました」と笑顔で語った。

 石巻市の佐々木敬海さん(42)は、昨年末に自ら命を絶ったパートナー、桜さん(当時35)の写真を手に、撮影に臨んだ。「ただ幸せに、笑顔で写真に写りたかった。撮ってもらった写真を見て、こんなに綺麗に写るのか、とびっくりしました」と話す。生前、敬海さんに「読者モデルの仕事をしてみたい」と話し、OUT IN JAPANの撮影会の申し込みも済ませていたという桜さん。「綺麗に撮ってもらい、桜も喜んでいるんじゃないかな」と語った。

「カミングアウト」を選択しない人々も

 「OUT IN JAPAN」の前日の20日には、「カミングアウト」を選択しない性的少数者の人々が開催する「CLOSET IN JAPAN」という議論イベントも開かれた。華々しい撮影会には参加を望まない人々もおり、そうした人々も含めたイベントを同時開催することで今回、より多くの人々が「性」への向き合い方を改めて考え議論できる機会となったようだ。

 「CLOSET IN JAPAN」を主催したMEMEさんは「カミングアウトする、しない、の二元論ではなく、性に対しては多様な向き合い方があり、本来は一人の人間の中にも多様性があるはず。そういった色々なわかりにくさ、多様性を含めて、自分自身の問題として性を見つめて考えていくことが大事だと思う。こうしたイベントの開催が、その一つのきっかけとなれば」と話した。

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