ヨガで被災地を元気にしたい!震災復興ヨガイベントにかけるインストラクターたちの思い

平塚千絵=仙台市】東日本大震災の発生から満9年を迎えるのを前に、2020年3月8日(日)、仙台市青葉区の仙台市市民活動サポートセンターで、震災復興チャリティーヨガイベントが行われる。主催するのは、在仙のヨガインストラクターたちで組織する「ピースフルヨガ仙台実行委員会」。今回で10回目の開催で、全体テーマは「『わ』のつながり」。代表の笹川典子さんは、「震災後から、地元宮城からヨガを通して、『故郷』を元気にしていきたいという思いで活動しています」と話す。

多様なヨガのレッスンが開かれる “Peaceful Yoga”

「ピースフルヨガ仙台実行委員会」は、仙台市やその周辺を拠点に活動するフリーのヨガインストラクター10名がコアメンバーとなり、活動している。「東日本大震災復興ヨガイベント Peaceful Yoga Sendai」の企画・運営からヨガレッスンまで行う。当日はボランティアスタッフが20名ほど加わり、会場運営に協力する。

イベントに向けて準備するヨガインストラクターたち
イベントに向けて準備するヨガインストラクターたち(平塚千絵撮影)

一日を通して行われるイベントでは、趣旨に賛同する、東京の著名な講師のレッスンの他、親子で参加できる「親子ヨガ」、座りながら上半身を伸ばす「椅子ヨガ」、体が硬い人でも無理なく取り組める「カラダが硬い人のためのヨガ」、初心者向けの「ヨガ入門講座」など、多彩なヨガのレッスンが開かれる。さらにヨガと関係が深い「食」や「ダイエット」についてなどの座学もあり、全体で18クラスにのぼる。会場で集まった寄付金は、経費を除き全て「東日本大震災みやぎこども育英募金」に寄付され、被災した子どもたちのために役立てられる。

不安と緊張が続く生活に、リラックスできるひとときを

ヨガインストラクターたちが活動を始めたのは、震災直後の2011年6月頃のことだった。当初は、メンバーそれぞれが仮設住宅などで住民を対象にヨガレッスンを行っていた。レッスン後に参加者から「震災後、慣れない環境での生活に不安と緊張が続いたが、久しぶりにリラックスできた」「久々に体を動かせてスッキリした」という前向きな感想が笑顔と共に寄せられ、「ヨガを通して、被災した人たちに、少しでも癒しや元気になれるひと時を作りたい」と、チャリティーヨガイベントを企画した。趣旨に共感する東京のヨガスタジオの協力を得ながら、同年9月に仙台市内で第1回目となる「Peaceful Yoga Sendai vol.1」を開催し、58名の参加があった。

昨年のイベントのようす(ピースフルヨガ仙台実行委員会提供)

その後も主に仙台市内でイベントを重ねてきたが、震災から6年経った2017年からは「地元仙台から発信しよう」と、同様に仙台で復興チャリティーヨガイベントを行ってきたフリーヨガインストラクターたちも合流、地域密着型のイベントの特色を深めた。関わるヨガインストラクターが増えたことで、多くのレッスンを開くことができるようになり、ヨガ未経験者から経験者まで、幅広い参加を促し、人と人との交わりの場を作れるようになった。イベントの最後には、追悼の時間を設け、震災の記憶を後世につなぐ場としての役割も果たした。

「心の復興」につながる場をつくりたい

昨年は会場の定員でもある450名ほどの参加があり、参加者からは「リラックスできた」「いろいろなクラスがあり、楽しめた」などの感想が数多く寄せられた。また「今後も東日本大震災復興のために、何らかの形で協力したい」という声も多く聞かれたという。

昨年のイベントのようす(ピースフルヨガ仙台実行委員会提供)

笹川さんは「今でも“震災から何年も経つが、ふとした瞬間に震災を思い出してしまう”という声を聞くことがあるなど、“心の復興”はまだまだ終わっていないと思います。今後も活動を通じて、“心と体を癒せる場”“復興支援に参加できる場”を作っていきたいです。多くの方のご参加を、お待ちしております!」と力強く語った。

※イベントの詳細・申し込みは下記URLへお問い合わせください。
「Peaceful Yoga Sendai vol.10」(ピースフルヨガ仙台実行委員会)https://www.peacefulyogasendai.com/

元気で明るいピースフルヨガ仙台実行委員会メンバー(平塚千絵撮影)

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