震災を乗り越え交流の可能性を広げて 宮城県山元町の障害者支援NPO「ポラリス」

【渡邉貴裕通信員=宮城県山元町】 宮城県山元町で活動するNPO法人「ポラリス」は、障害者の自己決定を尊重した自立支援に取り組んでいる。9月16日、町内のJR山下駅近くにあるつばめの杜ひだまりホールで定期的に開かれている「ひだまりマルシェ」に初出店した。町は東日本大震災で大きな被害を受け、復興が進む。ポラリスは震災の経験も糧に、地域との交流から共生社会の実現を目指す。

マルシェ出店で新たな力に

イベントホールには出店者がずらりと並んだ。ポラリスの出店では、運営する施設の利用者が描いたアート作品の展示や、アートワークショップ、抹茶カフェなどを展開し、障害に関わらず活躍する人たちが店に立つ様子が見られた。

会場では町内外からの来場者が行き交っていた。ポラリスの代表理事、田口ひろみさん(55)は、さりげなく声をかけ、遊びに来てくれた人たちに「ありがとう」の気持ちを伝えていた。田口さんは「世代や立場を超えて仲良く関わることでお互いへの理解や連携ができ、地域が変わる」と出店の意義を強調し「地域のイベントに参加することでまたメンバーたちのエネルギーになる」と語った。

田口さん(右)とポラリスのメンバー

震災の経験から「孤立防止」に力

田口さんは2015年まで社会福祉協議会にて障害者福祉に携わっていたこともあって、障害者の活躍に大きな期待を寄せている。
町を大津波が襲った東日本大震災当時は、町内の障害者の身を案じて避難所を巡回した。障害者の中には人付き合いを苦手とする人も多く、田口さんは、日々避難所を巡り相談に乗っていた。当初は無力感に悩まされていたという田口さんだが、支えたのは地域の人たちの温かい理解と見守りだった。そのことが障害者には何よりも大切だと感じた。

会場となったつばめの杜ひだまりホール。地域の防災拠点だ。

主体的な活躍を願って

ポラリスでは、障害者の自己決定を尊重した自立支援に取り組み、アートのみならず様々な仕事で特技を駆使して活躍できる方向へと導いている。

震災の経験から地域との共生にも力を入れる。今回のマルシェへの出店でも、田口さんは「(会場の)ひだまりホールは山元町の防災拠点。何かあった時、使い慣れていることで安心して避難できたらいいし、メンバーたちが地域の方のお手伝いができるようになったら」と、期待を込めていた。

障害者の「素敵なはたらき方」を求めて、新たな可能性を地域に広めていく姿勢が印象的なポラリス。北極星を意味するその名前には、道標といった意味合いも込められている。今後も、障害者支援を中心とした社会的に弱い立場の人たちの支援や、一緒に活動することなどを柱にして活動を続けていく。田口さんは「人材も育てて行き、活動を持続可能なものにして行きたい」と話す。次回のマルシェ出店は11月の予定だ。

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