【仙台市長選2017連載】いまさら聞けない仙台市長選

①仙台市長ってどのくらい偉いの?

仙台市長を決める14日間の戦いが今月9日、いよいよ幕を開けます。でも、仙台市長の役割って?普段どんな仕事をしているの?今さら聞けないそんな疑問点について、政治学が専門で塾講師の池亨さんが、分かりやすく解説します。

私たち仙台市108万住民の代表を選ぶ仙台市長選挙(7月9日告示、23日投開票)が、いよいよ迫ってきました。なんとなく分かっているようだけれど、意外に知られていない市長さんの条件と仕事。その中身をこの選挙をきっかけにおさらいしてみましょう。




市長になるための資格って何?

さて、仙台市長になるにはいったいどんな資格が必要になるのでしょうか。学校で昔教わった気がするけれど、案外忘れているかもしれません。これは憲法と公職選挙法という法律で「被選挙権」として決められています。仙台市を含む市町村と東京の特別区のトップ(まとめて市区町村長といいます。都道府県知事をふくめて自治体のトップは首長と呼ばれます)になるにはこういう資格が必要になります。

①日本国籍を持っていること。②満25歳以上であること。③住民から直接選挙で選ばれること。

ただし、④禁錮以上の重い刑罰を受けて、その執行が終わっていない人はなれません。⑤国会議員や自治体の議員や、常勤の一般公務員とは兼ねることができません(立候補を届け出たときに自動的に職を失います)。⑥立候補しようする自治体と一定以上の取引がある企業の経営者や役員を兼ねることはできません(その自治体が出資する第三セクター、公営企業は除く)。

学歴・職歴・免許・所得など一切関係ありません。あとは選挙で18歳以上の選挙権をもつ住民の多数から選んでもらえればよいのです。

市長は市の住民でなくてもよい!?

ここで「あれ?」と気になることはありませんか?仙台市長は仙台市民じゃなくていいの?答えは「YES」。住民でなくてもいいのです。

今から400年以上前に仙台を治めた伊達政宗。仙台の街を見渡せる仙台城址には伊達政宗像が建つ

実例をあげると、以前大阪市長をしていた橋下徹さんは大阪市民ではありませんでした。自治体の議員さんはその自治体の住民である必要がありますが、首長さんは市外に住んでいてもいいのです。とはいえ、住民感情からすると納得がいかないかもしれませんね。このしくみの根っこには、自治体の「経営者」として有能な人材をよそからもリクルートできるようにという考え方があるといわれています。




仙台市長は9000人以上を抱える大企業グループのトップに匹敵

表向きはどこの市長も資格は同じです。ですが、仙台市は108万人の人口を抱える政令指定都市、市長は文字通りその代表、「顔」です。またその行政と住民サービスを担う市は、学校の教職員や消防職員、地下鉄・バスやガス・上下水道など現場で仕事をする職員を含めれば、約9300人を抱えています(会社でいうと子会社をふくめた企業グループ全体にあたります)。市長が人事権を直接持つ職員(企業グループの親会社の正社員にあたります)だけでも約4800人。市長はその先頭に立つわけです。

職員数からみた場合、企業ではどれくらいの規模になるのでしょうか。行政と民間企業を単純に比べることはできず、あくまで目安に過ぎませんが、東証一部上場の大手企業で、社員数が匹敵するのは医薬品販売の株式会社スズケン(本社・名古屋市 単体で社員数4820名 資本金135億円)。プロサッカーチームであるJ1ベガルタ仙台のホームスタジアムのネーミングライツを持つ東北電力のグループ会社、株式会社ユアテックの社員が約3700人となっています。

25歳から、県知事並みの権限を持つトップの座に挑戦できる

また政令指定都市の権限や仕事の量は県に匹敵します。そうすると仙台市長は、普通の市の市長さんに比べると組織も大きく、やるべき仕事も多いことになります。都道府県知事と参議院議員の被選挙権が30歳以上ですから、仙台市長は、なろうと思えば25歳にして県知事並みの大組織のトップの座に挑戦できるポストということになります。ちなみに政令指定都市市長の最年少は千葉市の熊谷俊人市長(39歳)、市長最年少は大阪府四條畷(しじょうなわて)市の東修平市長(28歳)です。

普通の市より、権限も仕事量も大きい仙台市長。次回は、仙台市長が実際にどんな業務をしているのかについて解説します。

*池亨(いけ・とおる)

1977年、岩手県一関市生まれ。埼玉県で育つ。宇都宮大学教育学部社会専修(法学・政治学分野)、東北大学大学院情報科学研究科博士前期課程(政治情報学)を経て、東北大学法学研究科博士後期課程満期退学。修士(情報科学)。現在、㈱ワオ・コーポレーション能開センター講師。これまでに、宮城県市町村研修所講師(非常勤)、東北工業大学講師(非常勤)ほか。




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