2017年11月11日、TOHOKU360が仙台市若林区で開催した「仙台メディアフェスティバル」内の企画で、仙台で今年流行した言葉を決める来場者参加型企画「仙台流行語大賞」が催されました。当日は、毎年あの「流行語大賞」を決定している「現代用語の基礎知識」の編集者を審査委員長として東京から特別にお呼びし、参加者たちと一緒に “勝手に”「仙台流行語大賞」をノミネートしていきました。

TOHOKU360は今回、当日の来場者による投票で上位となった11の言葉を紹介し、インターネット上で決戦投票を行います。皆さんの投票で決定した「流行語大賞」は12月1日に発表予定です!(※発表日に深い意味はありません)



エントリー#1 【#東北でよかった】

今村元復興大臣の発言直後、twitterでは「#東北でよかった」で東北の素晴らしさを紹介する投稿があふれた

【解説】当時復興大臣を務めていた今村雅弘議員が4月、自身の講演の中で、東日本大震災による被害について「まだ東北で、あっちの方だったからよかったんですが、これがもっと首都圏に近かったりすると、莫大な被害があった」と発言。大きな批判を呼び、復興大臣を辞任するきっかけとなった。しかしtwitterではこの発言を逆手にとり、「#東北でよかった」のハッシュタグとともに東北の素晴らしさを紹介する投稿があふれた。SNS上には東北各地から東北の風景や食、各地の祭りの写真などが続々と投稿され、一つのムーブメントとしてテレビや新聞などでも取り上げられた。(若栁誉美)

エントリー#2 【涼宮城】

「涼・宮城の夏」キャンペーンtwitterアカウント

【解説】2017年7月に仙台・宮城観光キャンペーン推進協議会が「伊達な旅」キャンペーンの一環としてYoutubeに公開した『涼・宮城の夏』は、おとぎ話「浦島太郎」をモチーフに、夏の宮城をPRする動画。タレントの壇蜜さんが主演し、村井嘉浩宮城県知事も登場するこの動画だが「セリフや映像に下品な表現が多い」などと、自治体のPRとしてふさわしくないのではないかという批判を浴び「炎上」した。当初知事は賛否両論あることを肯定的に捉え、結果的に県が制作した動画としては類をみない300万回を超える再生回数を記録したが、夏のキャンペーンが一段落したことを理由に、8月下旬に公開を停止した。なお「伊達な旅」キャンペーンは11月現在も継続中である。(漆田義孝)

エントリー#3 【さくら野閉店】

閉店したさくら野の店内(漆田義孝撮影)

【解説】2017年2月28日、仙台市青葉区中央にある「さくら野百貨店仙台店」が突如閉店した。事前の告知は一切なく、当日も朝から事情を知らない買い物客が店を訪れていたが、その後報道などにより、前日に運営企業の株式会社エマルシェが自己破産を申請したことが判明した。戦後まもないころから「丸光デパート」として営業を開始、「ダックシティ丸光」「VIVRE」そして「さくら野〜」と名称を変えながらも70年以上にわたり同地にあった百貨店だけに、閉店のニュースは多くの仙台市民に衝撃をあたえ、地方経済を象徴するニュースとして全国でも取り上げられた。なお、現在青森県と岩手県に4店舗「さくら野百貨店」が存在するが、2017年現在、経営破綻した株式会社エマルシェとの資本関係はない。(漆田義孝)

エントリー#4 【偽バス停】

「偽バス停」の作者、佐竹真紀子さん(安藤歩美撮影)

【解説】東日本大震災による津波で災害危険地区に指定された仙台市若林区荒浜地区に立つ、本物のバス停そっくりに作られたアート作品。2015年に「深沼」停留所跡に置いたのが始まり。宮城県利府町の若手美術家佐竹真紀子さんが、「震災前の風景を思い出すきっかけに」と制作した。2016年には、震災の伝承に取り組む市民団体「3.11オモイデアーカイブ」が、「偽バス停」を巡りながら思い出を語り合うバスツアーを企画。一日限定で、震災前の市バスの運行ルートが復活した。2017年には、荒浜地区に加え、宮城野区蒲生地区の被災地にも偽バス停が設置され、同様のバスツアーが実現した。(葛西淳子)→関連記事:車窓から見えたのは「震災後」に生まれた景色だった 荒浜に1日限りバス復活

エントリー#5 【仙台弁こけし】

【解説】2014年にLINEスタンプやTwitterに登場した仙台のご当地キャラクター。着ぐるみにもなり、道行く人に仙台弁で話しかける2017年の仙台市長選挙の啓発キャラクターに起用され、仙台市営地下鉄に乗り込み「選挙にイグスペ」と乗客らに促すなど話題となった。写真は、記者が市営地下鉄南北線に乗車したときに偶然乗り合わせた仙台弁こけし。(佐藤晶子)→関連記事:仙台弁を流暢に話す「仙台弁こけし」誕生の謎に迫った

エントリー#6 【ヌダバリスト】

古地図の上に「ぬだばる」人たち(提供写真:佐藤正実さん)

【解説】古絵図の上に、ぬだばって愉しむ人々を表す造語。「ぬだばる」とは、仙台弁で横になる、うつ伏せになる、腹ばいになるの意。2017年11月仙台市青葉区一番町金港堂本店2階で、仙台の歴史を学ぶ「レイドバック・センダイ」が開催された。会場の床に敷かれたのは、原寸大に拡大した1645年(正保2年)の「奥州仙台城絵図」と1664年(寛文4年)の仙台城下絵図だった。するとその古絵図の上にぬだばる人が続出、一見だらしなく横になっているように見えるが、当時の奥州街道の賑わいを体感し、仙台城下の町割を眺め痕跡を辿っている。期間中その数は増殖し続け、SNSで拡散され、わずか7日間でその存在を誇示するに至った。(葛西淳子)

エントリー#7 【杜王町】

「杜王町」と化した仙台市役所(提供写真)

【解説】「杜王町」は、漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズの、第4部および第8部に登場する架空の地名。「ジョジョ〜」は1987年から連載の続く人気シリーズで、作者の荒木飛呂彦氏は仙台市出身。「杜王町」は仙台市がモデルと明言されており、2011年からスタートした第8部は、杜王町で大震災が発生する物語となっている。2012年には作者の地元仙台で『荒木飛呂彦原画展 ジョジョ展』の開催が実現、2017年にはその第2弾「ジョジョフェス in S市杜王町」が開催され、市内の様々な民間店舗だけでなく、バスやマンホール、仙台市役所など公共空間にも「杜王町」の表記が登場するなど、まちを挙げての大々的なコラボレーションが実施された。(漆田義孝)

エントリー#8 【ぐびっと一杯】

記者会見で謝罪する佐竹知事(県公式YouTubeから)

【解説】2017年7月22日から7月23日にかけ秋田県大仙市を中心に記録的大雨が発生した。この大雨が発生する前の22日早朝に秋田県の佐竹敬久知事が宮城県大崎市にゴルフを行うために向かった。その後大雨により被害を発生していたこと気付いたのは夕食時に飲酒した後だった。このため22日に秋田県に戻れなかった。23日自ら、緊急対策会議の招集をおこなった。午前6時頃に出発したが、大雨の影響で通行止めによる渋滞に巻き込まれ、この会議に間に合わなかった。間に合わなかったことについて問われ「(ビールを)ぐびっと一杯、やっちゃって」と釈明した。その後、虚偽説明も発覚し騒動となった。佐竹知事は猫好きの知事としても広く知られている。一部では「猫知事」とも呼ばれるほど親しまれていたが、この騒動によりイメージダウンとして痛手を負った。尚、甚大な被害を負ったにもかかわらず、秋田県では死者が出なかった。(小坂将人)

エントリー#9 【36日連続の雨】

夏休み中のさまざまなイベントも雨に見舞われた(漆田義孝撮影)

【解説】2017年7月22日から8月26日まで、仙台市内では観測史上最長となる36日連続の降雨が記録された。期間中は学校の夏休み期間に当たるほか、仙台七夕まつりなど様々なイベントも開催されていたが、あいにくの空模様が続いた。なお36日の間、終日雨が降っていたわけではなく、晴れ間の出たタイミングもあった。仙台管区気象台の観測点で降雨が確認された日数が36日続いた、ということである。また、8月の日平均気温は、前年と比べて2.7度も低かった。(漆田義孝)

エントリー#10 【おい宮さん】

TOHOKU360の取材に応じた「おいでよ宮城」さん(若栁誉美撮影)

【解説】短文投稿サイト・twitterで2万9000人近くのフォロワーを持つアカウントの愛称。正式名称は「おいでよ宮城」。時事ネタをはさみつつ、ひたすら「宮城においでよ」とツイートし続ける内容がフォロワーからの人気を呼んでいる。今年春に東京へと拠点を移す際に「中の人」の正体が判明し、インターネット上で大きな話題を呼んだ。非公式に宮城県の応援を行うアカウントだったが、今年は「むすび丸ミステリーツアー2017【涼・宮城の夏 編】」でむすび丸とも共演した。(若栁誉美)→関連記事:ツイッターで人気「おいでよ宮城」さん、春から東京へ 宮城を発信し続ける思い

エントリー#11 【Reborn-Art Festival】

「牡鹿半島・荻浜に立つ巨大な白い鹿」はイベントのシンボル的作品となった(渡邊真子撮影)

【解説】2017年7月22日(土)~9月10日(日)の51日間にわたり、宮城県石巻市の中心部(市街地)と牡鹿半島をメイン会場に開催されたアート・音楽・食の総合芸術祭。来場者数は延べ26万人に上った。実行委員長は亀山紘石巻市長と、音楽プロデューサーであり一般社団法人APバンク代表理事の小林武史。国内外の現代アーティストたちの作品が地元の方々の協力のもと展示され、会期中は毎日どこかで音楽が奏でられた。牡鹿半島・荻浜に立つ巨大な白い鹿《White Deer (Oshika)》(作・名和晃平)は、イベントのシンボル的作品ともいえる。浜のお母さんたちが地元食材で作る郷土料理・家庭料理を味わえる食堂「はまさいさい」は、イベント閉幕後も引き続き営業している。次回は2019年に開催予定。(渡邊真子)




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