【連載】今に息づく伊達文化を訪ねて①仙台みそ・亀兵商店

 【平間真太郎=仙台】百万都市・仙台の礎を築いた伊達政宗。その政宗によって発展した文化が2016年4月、「政宗が育んだ“伊達”な文化」として、文化庁の日本遺産に認定された。そこには、伊達家の伝統文化を土台に、絢爛豪華な桃山文化を取り入れた斬新さ、海外文化に触発された国際性などが挙げられている。2017年は政宗の生誕450年。注目を集める伊達文化だが、伊達家に伝わる文化芸術はもちろん、それだけでなく伊達家が統治した「藩政時代」に始まる多様な文化は現代に脈々と生き続けている。私たちの身近に息づく伊達文化を求めて、その現場を訪ねてみた。

地域の食卓支え続ける「仙台味噌」

 伊達文化探訪の旅のトップバッターに選んだのは「仙台味噌」。毎日の味噌汁を欠かさず、味噌漬けが大好きという、筆者のきわめて個人的な理由からだが、もちろん仙台味噌の源は政宗にある。

 煮たり蒸したりした大豆を主原料に、麹菌を植え付けた米や大豆、麦などを加え、発酵させて造られる味噌。一口に味噌と言っても、発酵に使われる麹や造られる地域によって異なる。蒸した大豆を米麹で発酵させた仙台味噌は、いわゆる「赤味噌」の代表格。しっかりとしたコクのある味が特徴だ。

訪ねたのは、文久元年(1861)創業の「合資会社 亀兵商店」(仙台市青葉区)だ。広瀬通の西公園近くで仙台味噌をつくり続けている。12月初めとあって、味噌づくりの現場は忙しい。通常の出荷に加えて、贈答用の商品も最盛期だ。

 6代目当主の亀田治代表に案内してもらい蔵の中へ。奥にある味噌を熟成させる室に入ると、味噌の香りとともに、夏のような蒸し暑さに包まれた。室温は30度前後。味噌が入った繊維強化プラスチック(FRP)製の桶がずらりと並ぶ。かつては10石(1石は約180リットル)入る木の桶だったが、40年ほど前からFRP製が使われるようになったという。木の蓋の上には重石がゴロゴロ。味噌1トンに対して100キロの重石が必要となる。

 「昔は年1回、冬場に造っていましたが、現在は通年で製造しています。純粋培養で力強い良い酵母を使うなど発酵環境が良くなったことが大きいですね」と亀田さん。

 こうして造られた亀兵商店の味噌は、樽(20キロ入り)に詰められたり、贈答用(4キロ)の包装を施されたりして出荷される。

亀兵商店の蔵の中にある味噌を熟成させる室。夏のような暑さの室内には味噌の香りが満ちている(平間真太郎撮影)
亀兵商店の蔵の中にある味噌を熟成させる室。夏のような暑さの室内には味噌の香りが満ちている(平間真太郎撮影)

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