地域医療を担う高野病院、どう存続させるのか

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福島県広野町の高野病院(安藤歩美撮影)

 高野病院の医療体制は、「支援する会」の懸命な働きかけもあり、1月中は元々勤務していた非常勤医師に加えて全国から集まった有志のボランティア医師で医療を支えることが決まった。2・3月の間は、都内の病院から志願した医師が常勤医師として勤める。クラウドファウンディングでは、民間の人々から600万の支援が集まった。しかし、4月以降の医師体制、そして長期的な医療体制、病院の経営難をどう解決するのかという根本的な問題には、答えが出ていない。

 福島県の内堀雅雄知事は1月4日の定例記者会見で高野病院について「双葉地域の医療が確保されるよう医師の確保に向けた支援を行う」と述べた。しかし、県立医大から高野病院へ常勤医が派遣されるのかは未知数だ。尾崎医師はその難しさをこう指摘する。

 「この地域はもともと過疎で、都会や大病院志向の医師は集まりにくい事情があった。震災後の広野町はさらに過疎が進んだ上に原発にも近い。大学病院がこうした地域に医局の力で医師を派遣するにも、医師同士の個人的な関係に左右される要素なども大きく、大学教授との関係の薄い小さな病院には人材派遣が難しいという事情がもともとある」

 最大の課題は資金面だ。院長が自らの人件費を削って成り立っていた面も大きく、さらに震災後の病院の経営難で、常勤医師を雇う資金をまかなうことが困難な状況だ。

 尾崎医師は「病院の体制としても、医師の体制としてもこのままではとても厳しい。行政や県立医大など大きい組織がイニシアチブ取って支援の道筋を示さなければ、病院は継続できない」と強調する。

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