【バリ・ウブド村通信(10)】赤ちゃんの成人式

【光森史孝=バリ・ウブド村】バリの赤ちゃんの〝成人式〟が昨日、ウブドのプリアタンにあるプリ・カレラン=北の王宮で行われました。バリの〝成人式〟は、日本の20歳の成人式と違って、生後3カ月を迎えると、行われるのです。この儀式は、世の中の生き物とお友達になり、人としてスタートする儀式です。

 父母に抱かれた赤ちゃんは、大勢の人たちが見守る中、生まれて初めて大地に足をつけてもらいます。この日まで、決して大地に触れてはいけないそうです。さらに、招かれたプダンダ=高僧の祈り、聖水のふりかけなどの後、金の腕輪やネックレスをはめてもらいます。これは、悪魔よけになるそうです。

 この赤ちゃんは、踊りの名手バグースさん、ケイコ・マンデラさんご夫婦の初孫です。赤ちゃんの名前は、A.A Gde.Baskara Prada Shota Mandera=翔大君です。日曜日生まれなのと、バリ暦から調べたところ太陽に関わりがあるということで、太陽神の名前から「Baskara」と名付けました―とケイコさんの話でした。

 お父さんは、バグースさんたちの二男、A. A Gde. Semaranata Nobuya(展也)Manderaさん。お母さんは Desak putu trisan wati(通称Desa)さんです。

 バグースさん一家は、この子供は、生まれてきたら、プラ・ダラム・プリのオダランに、お寺用の傘を寄付する約束をしていると霊媒師に言われ、先日のオダランに寄付させていただきました―ということです。




 儀式が行われたプリ・カレランは、バリの芸能の中興の祖といわれ、世界に名を知られたグンカ(偉大な父)と呼ばれたマンデラ翁が住まわれていたところですね。今回の赤ちゃんは、翁の5番目の曾孫に当たるようです。翁と、そのガムランや踊りを継承しているバグースさんたちの活躍ぶりは「踊る島バリ 聞き書き・バリ島のガムラン奏者と踊り手たち」(PARCO出版、東海晴美さんたち編集)に詳しいです。ご参考までに。

 写真は、高僧から金の指輪などをつけてもらう赤ちゃんと両親、ケイコさんたちです。

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