【続・仙台ジャズノート #1】プロビッグバンド「サウンドスペース」登場!

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】2021年12月10日、仙台市青葉区にあるエル・パーク仙台で開かれたジャズビッグバンド「サウンドスペース(SOUND SPACE)」のステージを聴きながら、どこかホッとした気持ちになりました。

 コロナ禍に耐えて開幕にこぎつけたジャズビッグバンド「サウンドスペース(SOUND SPACE)」のステージ=2021年12月10日、仙台市青葉区のエル・パーク仙台

「サウンドスペース」はトロンボーン奏者でバンドリーダーの白石暎樹さんが60年にわたって率いてきました。仙台を拠点に東北・北海道で活動するプロのジャズビッグバンド。「サウンド・スペース」での演奏経験が多くのミュージシャンを育てた点で、とてもユニークな存在ですが、コロナが猛威を振るう中、コンサートを開けるかどうか注目されていました。

この日の主な演奏曲は以下の通り。
When You Are Smiling
In The Mood
As Time Goes Bye
Take The A Train
支倉常長「サン・ファン・バウティスタ」

ジャズのスタンダード中心で、最大の聴きものは、2011年3月11日の東日本大震災からの復興を祈念してトランペット担当の沢野源裕さんが作・編曲したオリジナル組曲「支倉常長『サン・ファン・バウティスタ』」でした。 大型の組曲は聴く側にとっても難易度が高いことが珍しくありませんが、演奏前に沢野さん本人が作曲に至る経緯を説明したこともあり、曲調の転換を追いやすく、より感動的な演奏になっていました。もっと多くの人たちにこの曲の魅力を知ってもらいたいものです。

 「サウンドスペース」を指揮する白石さん。

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オミクロン株の急拡大もあって第6波に突入しつつあります。仙台を中心とするジャズ現場の雰囲気も、厳しさを増しているように見えますが、そんなタイミングだからこそ、昨年、金風舎から出した「仙台ジャズート」の続編をスタートさせようと思います。

「仙台ジャズノート」では日ごろから比較的容易に演奏を聴く機会のあるミュージシャンにインタビューを重ねました。彼らは実に能弁でした。「音楽で語ってもらうのならともかく、言葉を引き出すのはきっと苦労するだろう」と勝手に予想していたのがうかつでした。この種のリポートとしては異例なほどにインタビューに力が入った理由です。

取材を始めて間もなく、新型コロナが突風のようにやってきました。多くのミュージシャンが仕事を失いました。「それでも音楽は必要だ」と模索する姿がとりわけ印象的で、さまざまなアイデアや工夫を通じてジャズを演奏しようとする姿に胸打たれるものがありました。

一連の取材を通じて書ききれなかったトピックをフォローします。ジャズ音楽と向き合うミュージシャンの表情をさらに追うとともに、ジャズ音楽の聴き手・ファンの思いにも迫ってみたい。特にアマチュアの立場でジャズ音楽にかかわってきた自分の経験も含めて、ジャズ音楽の魅力、多様性や参加し、つながる音楽としての可能性を考えます。

今や、時には「超」の字つきで語られる「高齢社会」。筆者自身も10年前に会社人生を締めくくる「定年」を迎え、フリーランスの取材者・編集者として「古希」に至りました。ジャズを聴き始めた20代のころには想像もできなかった心境です。もともと地方新聞社出身なので取材者として自分の住む「地域」「ローカル」のありようをテーマに据えるのはごく自然なのですが、自由・自在な取材者としては、なるべく個人的な味付けにしたい。「高齢社会」のど真ん中だからこそのジャズ談義。一人称の形式をとり、音楽全般にわたる、なるべく軽いタッチのスケッチやコラムで構成します。お付き合いください。

この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。

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