東北流行語大賞2022ノミネート語を発表&決選投票スタート!

TOHOKU360が毎年、読者のみなさんと東北で最も流行した言葉を決める「東北流行語大賞」。今年もTwitterで皆さんから候補ワードを募集し、東北各地からたくさんのご応募をいただきました。ありがとうございました!

皆さんからお寄せいただいた言葉の中から編集部が15語に絞り込み、2022年のノミネートワードが決定しました!ノミネートワードの解説を読んだ上で、記事の最後の投票フォームから今年の東北流行語大賞にふさわしいと思う言葉にお一人3票の投票をお願いします。最も得票が多かった言葉が今年の東北流行語大賞に選ばれます!投票は12月22日まで。12月23日に大賞を発表します。

白河の関越え

仙台市内の飲食店で注文したビールには「育英優勝おめでとう」の文字が(渡邉貴裕撮影)

【解説】8月22日、夏の甲子園決勝戦にて下関国際(山口)と対戦した仙台育英(宮城)は見事大差で勝利。東北勢としては初優勝を成し遂げ、ついに優勝旗が白河の関を越えて東北に上陸。相次ぐ災害で疲弊した東北を元気づけるかたちで歴史を塗り替える1ページが開いた。
仙台育英の地元・仙台、宮城では優勝セールが多くのお店で続々と催された。物価高騰に喘ぐなど暗い話題が多いなかで骨を折りながらの安売りセール。東北に希望の光を灯す出来事だったに間違いない。東北に住む、もしくは、出身者にとっては「今日から頑張ろう!」と励みになって前向きになれた人も多い。底力を大いに発揮した仙台育英には本当に「ありがとう!」と感謝を伝えたくなるものだ。(渡邉貴裕)

青森県ご当地スタンド

村上 敦哉(@atsuM_official)さん提供写真

【解説】「AOMORI」「HIROSAKI」「OMA」……など、青森県のさまざまな地名が書かれたアクリルスタンド。このアクリルスタンドと風景を一緒に撮影すると「映える」ことから、SNSで「#青森県ご当地スタンド」のハッシュタグとともに写真を投稿することが流行している
制作は弘前市の田村商店。地名のほか「HOTATE MIZUGI」(むつ市)や「KOKESHI」(黒石市)など、青森の名産品のスタンドもある。青森県各地を旅しながら、土産物店でその場所にしかない「青森県ご当地スタンド」を見つけるのも楽しそうだ。(安藤歩美)

ラーメン王国陥落

【解説】「ラーメン王国山形が!」2022年2月に発表された総務省による家計調査結果で、山形に衝撃が走った。山形市は8年連続で、一世帯あたりの中華そば(ラーメン)外食支出金額の首位をキープしていたが、今回は隣県の新潟市に首位の座を明け渡す結果となったからだ。その模様は、全国放送のテレビ番組『秘密のケンミンSHOW』で取り上げられるなど、大きな話題となった。
山形市は、冷たいラーメン発祥地であることや、昔から蕎麦店や食堂でもラーメンを提供する店が多いなど、独自のラーメン文化が栄えてきた。このような土地柄から、市民にとってラーメンは身近な食べ物で、頻繁に食べに行ったり、出前を取ったりするなど生活に根付いている。それゆえに市民のラーメン愛は根強く、首位奪還の動きが高まっている。山形市役所では、若手職員が中心となり、ラーメンを生かした活性化策の事業化に取り組んでいるという。(鈴木千絵)

完全試合

千葉ロッテマリーンズ公式YouTubeチャンネルより

【解説】岩手県陸前高田市出身で、大船渡高校時代から「令和の怪物」と呼ばれ注目を集めた佐々木朗希投手が、ついにプロ3年目で偉業を成し遂げた。4月10日のオリックス戦で相手チームのランナーを一人も出塁させない「完全試合」を達成したのだ。完全試合はプロ野球史上28年ぶりで、20歳5か月での達成は史上最年少。当日の13者連続奪三振は「プロ野球におけるピッチャーの連続奪三振最多数」としてギネス記録にも認定された。(安藤歩美)

チョコQ助

【解説】青森県八戸市の菓子製造販売メーカー「しんぼり」が2021年に発売した商品。薄焼きの南部せんべいに線状にチョコレートがかけられ、キャッチフレーズは「せんべいとチョコ、禁断の出会い」。キャッチーな商品名は、製造工程で割れるなどした規格外商品を表すせんべい用語「久助(きゅうすけ)」から名付けられた。
発売直後から注目され、1年以上経った現在でも店頭に並んだその日に完売するほどの大ヒット商品となっている。2022年の夏は暑さでチョコレートが固まりにくくなったため2か月間出荷停止を余儀なくされたが、2023年春に冷却設備を導入した新工場が稼働予定。年間を通して製造・販売が可能になるという。(鈴木千絵)

ウルトラアキタ

【解説】秋田県の男子プロバスケットボール・Bリーグ1部「秋田ノーザンハピネッツ」の2021-2022シーズンのスローガン。ハピネッツは今年5月、クラブ史上初となるBリーグチャンピオンシップ(CS)への進出を決めた。CSでは準決勝進出はならなかったものの、文字通り「ウルトラ」な活躍は秋田県民を大いに盛り上げ、チームに新たな歴史を刻んだ。(安藤歩美)

おかえり只見線

JR会津若松駅に掲げられた記念のパネル(佐々木佳撮影)

【解説】10月1日、JR只見線が11年ぶりに全線で運行を再開した。「おかえり只見線」は、列車との「再会」を心から喜ぶ沿線の思いの象徴として、イベントやポスターなど様々な場面で使われた言葉だ。
只見線は、福島県会津若松市と新潟県魚沼市を結ぶ全長135.2キロ、36駅のローカル線。車窓の只見川や雄大な山々は絶景で、全国屈指の秘境路線としても知られてきたが、2011年7月の新潟・福島豪雨により甚大な被害を受けた。特に会津川口・只見間は鉄橋が流失するなど被害が大きく、利用者の少ない路線だけに一時は「廃線」の危機に。それでも沿線住民らの必死の運動が実を結び、ついに全線での運転再開にこぎつけた。
運行再開当日は大勢の沿線住民や鉄道ファンが詰めかけたが、1番列車は超満員のためにブレーキが故障。記念列車も2時間遅れで只見駅に到着したが、11年間も待っていた住民には大した遅れではなかったようで、温かい拍手で迎えられたとのことだ。(佐々木佳)

カレーは飲み物

【解説】サッカーJ2・ベガルタ仙台公式Twitterアカウントが、5月25日の岡山戦でユアテックスタジアム仙台のドリンクが50%オフになるキャンペーンを発表。そこに同チームのマスコット・ベガッ太が「えっ?飲み物50%オフ?ということは半額??つまりカレーも半額だな。」と反応し、「カレーは飲み物」であることを頑なに主張した。
果たして「カレーは飲み物」なのかーー。ベガッ太の一言は、ファンや選手を巻き込んだ大論争に発展。当初は難色を示していた公式アカウントも社内会議の結果ついに「カレーは飲み物」であると認め、同日はカレーも半額となった。(安藤歩美)

新・盛岡バスセンター

前身のバスセンターに掲げられていた「MORIOKA BUS CENTER」の看板が新しいバスセンター内にも飾られた(佐々木佳撮影)

【解説】盛岡市中心部に10月4日開業した、バスターミナルなどの複合施設。バス乗り場だけではなく、地元の人気飲食店や温浴・宿泊施設、子育て支援施設なども入居し、連日大勢の市民や観光客で賑わいを見せている。
前身のバスセンターは1960年に開業。バスがフロントを突っ込むようにして停車する独特の発着スタイルや、味のある節回しのアナウンス、待合室に漂う蕎麦の香り、昭和からほとんど変わらない店構えの駄菓子屋や時計店など、バスの黄金時代を彷彿とさせる情景が数多の旅人を魅了してきた。しかし、施設の老朽化のため、2016年秋に惜しまれながら営業を終了。跡地を市が買い取って新施設の整備を進めてきた。
開業初月の入場者数は事前の予想を2割ほど上回る約3万人。生まれ変わったバスセンターは、単にバスの運行拠点だけにとどまらず、市内でも特に歴史のある市街地「河南地区」全体の賑わい・交流を生み出す拠点となることが期待されている。(佐々木佳)

鳴子こけし頭ポロリ

東日本放送公式YouTubeチャンネルより

【解説】こけしの産地として知られる宮城県鳴子温泉を横切る、国道47号線沿いに高さ6mのこけし塔が2本、向かい合うように立っているのをご存じだろうか。それは、こけし工人の遊佐氏が運営する「岩下こけし資料館」が約40年前、建物の前に設置したもの。資料館、そして鳴子温泉のシンボルとして長年観光客らに親しまれてきた。2022年2月7日朝、2本のうち1本のこけし塔の頭部が、積もった雪の重みにより落下した
幸いなことに人的・物的被害はなかったものの、修復には220万円もかかることが判明した。一時は撤去を考えたというが、クラウドファンディングに挑戦したところ全国から支援が殺到し、目標額をはるかに上回る500万円ほどが集まった。そのため、老朽化し「いつ破損するかわからない」と言われていたもう1本のこけしも修復が可能に。11月中に2本とも修復工事が終了し、12月11日に晴れてお披露目となった。お披露目会にはクラウドファンディングの支援者も各地から駆け付けリニューアルを祝った。(鈴木千絵)

若隆景初優勝

日本相撲協会公式YouTubeチャンネルより

【解説】今年の大相撲春場所で、福島県福島市出身の新関脇・若隆景が平幕・高安を破り、初優勝を果たした。JR福島駅前では大型ビジョンでパブリックビューイングが開かれ、優勝が決まった瞬間大勢の地元ファンから歓声が上がった。福島県出身力士の優勝は「栃東」以来50年ぶり3人目で、新関脇の優勝は「双葉山」以来86年ぶり。若隆景は11月に初の年間最多勝も確定し、その躍進に目が離せない。(安藤歩美)

ミルハス

東北有数の規模を誇る文化施設「ミルハス」(福地裕明撮影)

【解説】老朽化した秋田県民会館と秋田市文化会館に代わり、秋田県と秋田市が秋田県民会館の跡地に共同で整備した文化施設。正式名称は「あきた芸術劇場『ミルハス』」で、今年9月23日にグランドオープンした。2007席の大ホールと800席の中ホールを擁する東北有数の規模の文化施設で、クラシックやミュージカルからポップスのコンサートまで大規模な興行が可能になる。秋田市中心部の人通りの増加による経済波及効果も期待されている。(安藤歩美)

プロ転向

プロ転向発表後、仙台市の「藤崎百貨店」では「羽生結弦展2022」が開かれた(佐々木佳撮影)

【解説】オリンピック二連覇を果たした仙台市出身のフィギュアスケーター・羽生結弦さんが今年7月、プロへの転向を表明した。地元・仙台市の百貨店では9月に「羽生結弦展2022」が開催され、連日大盛況に。羽生さんは宮城県のテレビ各局のローカル番組にも次々と出演し、大きな話題を呼んだ。11〜12月には単独アイスショー「プロローグ」が横浜市と青森県八戸市で開催され、羽生さんが東日本大震災で被災した際、八戸のリンクで練習したというエピソードも披露された。(安藤歩美)

チェリカ

「チェリカ」で利用できるようになった山形市内の路線バス(山交バス)。(佐々木佳撮影)

【解説】山形県内で路線バスを運行する山交バス(山形市)、庄内交通(鶴岡市)の2社が発行する交通系ICカードで、5月14日から山形県の全域に導入された。名前はもちろん、山形を代表する名産品のさくらんぼ(チェリー)から。JR東日本のICカード「Suica」のサービスを利用でき、山形の風土を象徴する緑の山並みがデザインされている。10月末時点の発行枚数は約1万5千枚で、県民生活に少しずつ浸透してきた。
山形の路線バスをめぐっては、庄内交通が10月、鶴岡市内の循環バスの運行を見直し、利用者を大幅に増やしたことも話題になった。バスを小型化した上で、停留所を20ヶ所以上新設し、運行本数も4倍にしたところ、1ヶ月の乗客数は前年の約3倍に増加したという。人口減少やコロナ禍で各地の公共交通機関が苦しい状況に置かれる中、貴重な再生モデルとして注目された。(佐々木佳)

福とら

さまざまな食べ方が楽しめる「福とら」(相馬市観光協会提供)

【解説】福島県産天然トラフグのブランド名。トラフグはもともと、西日本を中心に親しまれていた魚だったが、近年は福島県相馬沖での水揚げが急増しており2021年には全国トップレベルの漁獲高となった。
その流れをうけて地元・相馬市では、福島県産天然トラフグを「福とら」と命名。2022年7月には「相馬『福とら』活用推進協議会」が設立された。協議会では、市内で福とらを提供するお店を掲載したチラシを作成するなど、地域ぐるみでブランド化し発信する機運が高まっている。現在、相馬市内には、福とらを提供する飲食店や宿泊施設が8か所あり(2022年10月時点)、刺身、鍋、唐揚げ、皮ポン酢、雑炊など店それぞれのメニューを味わうことができる。淡白ながら、弾力のあるもっちりとした食感とうまみが特徴で、新たな福島の特産として注目されている。(鈴木千絵)

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