【動画・文/岩村和哉(WACO CREATE)】私は動画制作のフリーランスとして在宅で仕事をしている。新型コロナウイルスの影響を受け、仕事内容に制限はあるものの、外出しなくても生活はできている。とはいえ4月になって、一歩も外に出ない、妻以外の誰にも会わない生活が一週間続いた時に、ふとこれまで通っていた荒町・連坊・愛宕橋商店街の方々の顔が頭に浮かんだ。
「会いに行きたい、応援したいという気持ちがあるけど、それが原因で感染を拡大させてしまったらどうしよう」「飲食店…多分お客さん減ってるんじゃないかな。もしかしたら大好きなあのお店がなくなってしまうかもしれない」そう思い始めると、少し怖くなった。そして、もしかしたら同じように、商店主の顔色を思い浮かべて心配に思っている人たちがいるんじゃないか、と考えた。
そこで、日ごろお世話になっている商店主たちに、私が知りたいことを素直に聞き、その内容を動画に撮って発信しようと考えた。コロナウイルスの商店街への影響はどうなんだろう?そして今私たちにできることはなんだろう?自分自身、もやもやしていたこの内容について、4月9、10日に皆さんにお話を伺った。
※この動画は緊急事態宣言が全国に発出される前の4月9、10日に取材したものです
商店主のみなさんの声
「将来を描きながら、今を感謝する気持ちを持ち続ける」美容室B-Ark pool 庄子康一さん
非常事態宣言出たらどうするんだろうとか、いつまで続くんだろうとか考えるとどんどんネガティブになっちゃうから。そうじゃなくてこういう時にこそ、いつもの、今日もこの日を迎えられたことに感謝して、コロナが収まったらこういうところ行きたいよねとか、こういうことやりたいよねとか。もしくは子どもがいる人だったら、子どもが5年後こうなって欲しいよねっていう将来を描きながら、今を感謝するっていう気持ちを持ち続ければ、いずれ収まるよねって。それまで、こんなに幸せなんだから頑張っていこうよって、思えるんじゃないかなって。
「新しい価値や楽しみを作り出していかなければいけない」SPARK COFFEE ROASTERS 田中義也さん、たくみさん
喫茶をやっていて、お客さんとの会話が多くてっていう楽しい時間は、今は実質提供できないけど。お客さんと自分たちと、やっぱり感染を拡げないことが大事だから…。その向こう側にいる大切な人っていうのもあるし。(スパークコーヒーの)新しい価値とか、新しい楽しみを私たちは作り出していかなければいけないし、そういう風に考えてみるのもね、きっとこれ潮目になるから。
スパークコーヒーのコンセプト「おいしいコーヒーで、一日が輝く」っていうのがあるんですけども、何もお店に来なくても1日が良かったなあって思うのって、おうちにいても感じられると思うので、(豆を購入して、コーヒーの淹れ方をYoutubeで見て)おうちで楽しんでください。
「ビジネスチャンスや知恵を出すきっかけに」らーめん屋せんごく 五十嵐甲典さん
こういうときこそ、活発な商店街っていうのは凄い必要なことだと思っているんです。これなんでかっていうと、要するに家にいるわけですよね?大型店舗にはなるべく皆さん行きたがらない。こういうときこそビジネスチャンスであり、何か知恵を出す、そういうきっかけになるんじゃないかなって思っているんです。コンビニに対抗するんであれば、こういうような状況だからこそ、みんな一致団結して、例えば便利を求めるんだったら、そこにお届けする。飲食店に限らずいろんな店舗、それが要するに、お届けしますよっていう、そういうシステムっていうのが結構面白いんじゃないか
「コロナ一色の新聞に咲いた『ほや酒』という一輪の花」宮内屋酒店 加藤周一さん
(お店で発売した「ほや酒」が取り上げられた河北新報の記事を指して)河北新報社が言った言葉をそのままね、(私が考えたことは)全く河北新報社が考えたことと同じことだったの。暗いこのコロナ…もうチャンネル捻れば全部コロナ。ねえ、新聞開けば全部コロナ。その中で、そういうところに咲いた一輪の花みたいな感じで、ぽっと「ほや酒」が出た。そうすると、こう…なんていうんだろう。社会に明るさを、スポットライトを当てたみたいな…その部分に。それが新聞社としても有り難かったらしいです。
「励まし合いながら、できることをお手伝いしていく」Hostel KIKO 齋藤一郎さん
誰も旅は当分できないね。旅は…できない。ある程度コントロールする期になるのか、マスクして、手は(マスクしていると)口は触らないじゃない。食べるときは必ず手を洗ってから食べるとか。共同生活するってこと自体が一つのスタイルだったと思うんだよね。シェアハウスっていう中で生き残る事がもしできるんだったら、その道が、2年くらいそれをやりながら、あと旅人がまた増えてきたって時代が来たら、それはそれで、近くの店舗にまた増やすでもいいし。そこからまた町が、東北がまた元気になるには、やっぱり2年くらいはかかるだろうし。
コロナショックが起きて、みんな今苦しんでいる最中だと思うんだけど、お互い励まし合いながら、お互いできることとか協力し合うのが、町の良いところかなと思うので、たった一人だけ生き残ったって、全然楽しいことでもないと思うので、俺ができることで、助成金の申請とかお手伝いもしますよ!
「足掻くだけ足掻こうと思っている」ホルモン焼肉ちばず七輪(ぐりる)&ラーメン北味 千葉宏教さん
もう廃業しましょうか、っていう話をしている人もいる。だけど、そこは人それぞれだけど、うちの場合は娘が来月で2歳なのさ。俺はこの町に20年いるって約束したのね、色んな人に。それは娘が20歳になるまでやるって決めたことだから、やっぱり自分が吐いた唾は飲めないので、俺はやりたいと思っていて。もう撤退という文字はないです。足掻くだけ足掻こうと思っています。
ただ色々考えるところはあるわけですよ。いち社会人として、世の中を良くしたいなあと思った、その思いからはお店なんか開かないほうが良いわけ。コロナの騒ぎが収まるまでの間、休業して、家でじっとしていれば、それは収まるわけ。だからいち社会人としてはそっちをやらなければいけない。だけど、さっきも喋ったけど娘のため、父親だったり、嫁さんに対する旦那なわけですよ、旦那として。従業員もいるわけよね、従業員のご飯も食わせないといけないから、社長として。そうする場合は、危険にさらされても店を開けなきゃいけない。だから社会人としては閉めなきゃいけないけど、父親だったり社長だったり、旦那だったり、そういう面でいうと、店頑張って開かないといけない。右向きながら左向けみたいな、すげー矛盾した状態にいるわけなんだよ。葛藤もあって。それを今どうすっかなーって、もう毎日頭の中ぐちゃぐちゃ。
正直、来てくれって言いたい。来てほしいから、来てくれないと俺らが死んじゃうから、来てほしい。ただ、来て!来て!って言って、来てもらう危険性みたいなの考えると、やっぱり大きい声で言えない。さっきも言ったけど、人様のお子さんだったり、逆にお父さんだったりお母さんだったりするわけ。その人に危険を犯してここに来てって俺は強要できない。だから、我慢するところは我慢して、しょうがないときは出る。すごく鬱々とした今の時間の中で、それでもメリハリつけて、よし今日は完全防備で安全そうなところに食べに行くとか決めて、それまでは全部、完全外出禁止でいいから、メリハリつけて今は生活してほしい。
「せめてご飯を食べるときは、不安を忘れる時間も作ろう」みつわ家 米谷いずみさん
不安な毎日なんだけれども、先が見えないし、どうなってしまうのかなって。例えば、学生の子達なんかも、いつ学校が始まるのか、就職活動中のうちのバイトの子達も多いんだけど、自分達の将来はどうなるのか、みんな凄く不安なんだけど、考えてもしょうがないところはしょうがないから、ご飯を食べるときは忘れよう。そのとき思ってても、忘れてても結果は変わらないから、せめてご飯を食べるときは忘れて、そういう時間も作ろう。頭がいっぱいになっちゃうばかりじゃなくて、そういう(不安なことについて考えない)時間も作ろう。必ずどうにかなる。今良い情報も入ってきているし。私が言いたいことはそれだけね。
各店舗情報
(最新情報は各店舗のHP・SNSをご確認ください)
・美容室B-Ark pool
電話番号:022-267-1669
http://www.b-ark.com/pool/index.html
・SPARK COFFEE ROASTERS
電話番号:022-702-7002
https://www.instagram.com/sparkcoffee_sendai/?hl=ja
・らーめん屋せんごく
電話番号:022-399-9454
・宮内屋酒店
電話番号:022-223-7469
https://www.facebook.com/miyauchiyasaketen/
・Hostel KIKO
電話番号:022-281-9788
https://www.facebook.com/Hostel.KIKO/
・ちばず七輪(ぐりる)&ラーメン北味
電話番号:022-223-2781
https://www.instagram.com/chibazu_shichirin/
・みつわ家
電話番号:022-222-3886
https://www.instagram.com/mitsuwayabento/?hl=ja
・及川酒店
電話番号:022-223-2885
https://www.facebook.com/oikawasyuzouten/