震災から10年目の仙台からお届けする詩と写真の連載「手紙」。詩人・武田こうじさんの詩に、編集長が東北各地で撮影した写真で返信します。
“てがみ”
ときのながれにそっと
てをのばすように
すなはまにゆれる
いっぽんのき
ことばにできない
そんなことばにかこまれて
まちはないた
あれもこれも
あいしていた
あのひから
わからない
くりかえし
てがみをかいている
ここであなたとであい
ここであなたとくらし
ここであなたにふれる
“Letters”
One tree, waving on the beach in silence,
Reaching for something in a river of time.
Surrounded by words, unable to speak,
The town cried.
This, here; that too –
I love so many things.
Since that day
I don’t know anything.
I just endlessly write a letter.
I met you here.
Our lives are here.
I feel you here.
詩:武田こうじ
写真:安藤歩美(仙台市宮城野区蒲生)
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