【バリ・ウブド村通信(13)】バリの「成人式」ポトン・ギギ(=削歯儀礼)

【光森史孝=バリ・ウブド村】VillaBintang Ubudの光森史孝です。しばらく、です。豪雨、台風、地震…と日本列島は、大変でしたね。被害に遭われた方には、お悔やみ、お見舞い申し上げます。

インドネシアでも、バリ島東隣りのロンボク島で大きな地震があり、多くの人が被害に遭って、今も避難生活で、苦労されています。世界各地から支援のボランティアが駆けつけ、支援物資なども寄せられており、在デンパサール日本国総領事館の首席領事、じゃかるた新聞の記者など、現地に入った人たちの報告も聞いたり見たりしていますが、まだ大変なようです。

こんな中、南国からの便りも、少しためらっていましたが、やや状況も変化してきたようなので、ウブド村暮らし通信を、届けます。

今日のテーマは、バリの人たちの〝成人式〟=ポトン・ギギ=削歯儀礼です。先日、ボンさんの故郷、ボン村の自宅で、ボンさんの兄弟の子女の儀式が行われました。バリ・ヒンズーの人たちは、生まれてから、年齢を重ねるにつれ、様々な通過儀礼を行っていますが、そのうち、この削歯儀礼は、重要な儀礼の一つです。獣のような門歯と犬歯を削り、人間らしい歯並みとなって、立派に成人した証となります。

ボン家では、男女4人ずつが、この日の儀礼の対象者となり、正装して儀式に臨んでいました。ボンさんの長女、あゆみさんと長男、けんた君も、この中に混じっていました。高僧の祈りに始まり、削歯を受ける時は別室の寝台の上に二人ずつ、並んで横になり、削歯をする人の手で、歯を削ってもらいます。写真は、その様子です。この儀礼を済ませると、皆、〝大人〟になって、社会へ出る訳で、あゆみさんたちも、しゃきっと背筋をのばして、私たちの前に立って見せてくれました。

ボン家には、この日、村中の人たちが、お祝いのお供えなどを持って集まり、また知り合いで招待された人も加え、満員の盛況でした。私どもも、じっくり儀礼を見せてもらい、お祝いのお昼の食事を、いただいてきました。

あゆみさんは、この9月から在デンパサール日本国総領事館に勤務しています。けんた君はウダヤナ大学で、折り返しを迎え、勉強に励んでいるようです。二人の〝成人〟に幸あれ、ですね。