【高校生記者がゆく!】私たちができる国際協力って?JICA東北に聞いた

千代谷心路、西野咲瑛、金子妃菜、橋本結花】日本政府の開発途上国支援を実施しているJICA(国際協力機構)。実は、東北にもその拠点があることをご存知でしょうか?飢餓問題や貧困問題など世界が抱える問題の解決へ向けて、どのような活動が行われているのか。仙台市青葉区にある「JICA東北」を訪問し、職員の山下将一さんにお話を伺いました。

経験や技術を人へ伝える「人づくり」が鍵

JICAは、途上国の貧困、環境問題、感染症、紛争など開発における諸問題の解決に取り組んでいます。東北の拠点では、農業、保健医療、水の浄化処理技術など、各県の個人や団体・民間企業などによるさまざまな技術協力活動が展開されています。

JICAは「経験や技術を人へ伝える活動(人づくり)を通して、やがて国が豊かになる(国づくり)ことを目指している」とのこと。専門的な技術・技能や知識、経験を途上国の未来を担う人々へ伝えることで、少しでも今の厳しい現状が改善され、多くの方がより良い暮らしを送れるように活動しているといいます。

JICA東北に展示されていた世界の民族衣装

「一人ひとりの意識向上が不可欠」

国際的な支援に日々取り組む山下さんに、私たちが気になっている質問を聞いてみました。

高校生記者

『SDGs 1.貧困を無くそう』は、2030年に達成することはできますか?

現在の状況では難しいです。「貧困」は一つの課題であるようで、様々な角度からの取組が必要となる、非常に複雑なものです。私たちは十分な食べ物や水、またそれを買うお金、教育の機会、労働の機会、安全な住居が必要ですが、それが十分に揃わないと生活は困難になってしまいます。そのため「貧困をなくそう」の達成には、世界全体の協力や一人ひとりの意識向上、努力が不可欠です。

山下将一さん
高校生記者

どれほどの資金が集まると、どのような物資に交換できるんですか?

一つの事例として、在グアテマラ日本大使館が実施するODA事業「草の根・人間の安全保障無償資金協力」では、日本円で約900万円で中米のグアテマラに、教室が6つ、家庭科室が1つ、個室トイレが2つある学校を建設することができました。

山下将一さん
世界の民族衣装に興味津々の高校生記者たち

私たちが「勉強すること」が国際協力につながる

一方で新型コロナウイルスが蔓延してからは、思うような活動ができない場面もあったと言います。

高校生記者

コロナ禍でのJICA、青年海外協力隊の活動はどのようなものとなりましたか?

例年と比べてイレギュラーなものになり、例えば青年海外協力隊の中にはzoom、Skypeなどのオンラインツールで現地の人たちと連絡を取り、協力活動をおこなってきた人もいましたが、ネット環境が整っていない場所では活動を続けることが難しい場合もありました。

山下将一さん

開発途上国への支援は資金が必要となります。しかし、資金だけではなく、技術を持った人や、ある分野において知識のある人がとても必要とされています。今回私たちはJICAへの取材を通じて、支援を必要としている国の人に技術や知識を教えたり、指導したりすることで、その国の人々の発展や成長を後押しすることができるということを知りました。今私たちが勉強をしていることや身につける知識が、将来、開発途上国の人々の支援につながるものになるかもしれないと感じました。

詳しく知りたい方はこちら
JICA東北
https://www.jica.go.jp/tohoku/index.html

(取材・執筆 千代谷心路、西野咲瑛、金子妃菜、橋本結花)

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