【渡邉貴裕通信員=宮城県松島町】日本三景の1つ・松島の朝。潮風を浴びながら気軽にヨガを体験できるイベントが開かれている。インストラクターは地元の女性。「海しか見ないで帰るのはもったいない」と、有名観光地の魅力を再発見できる機会作りに力を入れている。
松島湾の潮風に心身をほぐす
松島町のやや東側にある手樽海浜公園。田園風景の広がる手樽地区にあり、松島湾を広大に眺望することができる。
2018年8月18日朝、清々しい潮風を吸いながらヨガを楽しむ人たちが集まった。朝のラジオ体操のような光景だった。内容は呼吸、ポーズ、合掌などと体勢をとりながら休憩も入れて40分間。参加者たちは黙々と体勢を整えていった。心身ともにほぐれるのがヨガの素晴らしいところだ。
朝ヨガはヨガサークルシャンティ松島の活動として2013年から毎年4~9月まで、月1回のペースで週末のいずれかに開催する。今回で35回目と見事な継続ぶり。町外からの参加者もいる。参加費は1人500円。今回は西日本豪雨の災害支援によるチャリティーヨガとして企画された。この日の参加者は12人。合計6,000円のカンパが集まった。
「海だけ」じゃない松島の楽しみ方を
インストラクターで、町内に住む鈴木由美子さん(50)は、松島の観光と併せたひと味違った楽しみ方を提供する。日本三景と呼ばれるほどの景勝地であるが、鈴木さんは「海しか見ないで帰るのはもったいない」と、観光資源が豊富な松島の魅力を再発見できる機会をつくっている。松島湾を眺めながら楽しむヨガもその一つ。神社巡りや食を堪能する「御朱走(ゴシュラン=御朱印とランニング、ミシュランを組合わせた造語)」も主催している。
ヨガは、チャリティーイベントでの紹介で可能性を感じ、始めた。元々、鈴木さんはランナーで「美しい光景に必ず出会える。松島で何かできないか?」と模索していた。鈴木さんは「ヨガをすることで心身が癒やされて、自分が存在しているのを感じる」とも話す。「心地よく、素晴らしく、広げる」をモットーに取り組み、勉強会やイベントにも参加。石巻や仙台での出前講座の依頼も受ける。「ヨガは社会的貢献にもつながっている」と意気込み、町民の健康づくりにも一役買う。
10月には奥松島(東松島市)に韓国版トレッキングコース「オルレ」の開設が予定されている。鈴木さんは「現在取り組んでいるヨガ、ウォーキングやランニングとともに展開をしていきたい」と話す。
朝の松島のどこかでヨガを楽しむ人たちが集まる。これまでの観光とあわせて、松島がより楽しめる場所に進化するに違いない。
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