【安藤歩美】仙台の冬の風物詩「SENDAI光のページェント」。毎年多くの仙台市民や観光客を楽しませているイベントだが、資金不足が課題となり、今年は点灯区間を昨年の3分の2規模まで縮小することになった。
「残念だ」との声が聞こえてきそうだが、待ってほしい。私たちは光のページェント(通称ヒカペ)が毎年点灯することを、当たり前のことだと思ってはいないだろうか?もしも「ヒカペ」の光を、自転車を漕いで「自力で」灯すことができたら…..?そんな型破りな発想の社会実験が今、仙台市内で計画されている。
大学生が企画し、一本のツリー点灯に成功
自転車を漕ぎ自力で発電してイルミネーションを灯す試みは、2023年に大学生が初めて企画。定禅寺通の光のページェントが点灯されなかった区間の近くで、一本のツリーを点灯させることに成功した。
今年は仙台市の公共エリアを活用した社会実験としてお墨付きを得て、地元の建築関係者や大学生らでつくる「TEAM YOBOU」が12月21日に実施することに。参加者は勾当台公園市民広場に設置されている発電機付き自転車を漕ぎ、自分の力でインスタントハウス(災害時にも活躍する簡易住宅)の照明を灯すことができる。誰でも参加でき、学生は無料で社会人は1回100円。光のページェント実行委員会と実施協力団体の東北大学Windnautsに半額ずつ寄付される。
「自分ができることから、多くの人を喜ばせたい」
TEAM YOBOUは、開催の意義についてこのように語っている。
「私たちは、お金を払って見えないプロセスを買うことに慣れすぎて、自分ができることが分からなくなってる状態が増えているのではないかと感じました。そこで、1人のチカラで本家のようにたくさんの木にイルミネーションを照らすことはできなくても、その中の1本くらいなら、参加者が自転車を自力で漕いで、それを原動力としてイルミネーションを照らして、会場を訪れた何人もの人を喜ばせることができれば、公共的な取り組みかつ公共空間でやる意味があるんじゃないかと考案しました。全体の奉仕者にはなれなくても、私たちができることから、夜を安全に遊びながら、特定多数の人を喜ばせたいと考えています」
今後は他地域での実施も視野に入れ、最終的な目標は本家の光のページェントを自転車発電で灯すことだという。
イルミネーションを自力で灯す企画「Rights,Lights,byRide(ライツ・ライツ・バイ・ライド)」の開催は12月21日15:00〜18:00、勾当台公園市民広場にて。仙台市の社会実験「せんだいCO-LAB.」の一環として開催され、当日は足湯や体験型ワークショップなどのイベントも開かれる。
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