東北医薬大生とお茶の井ヶ田が「小さな図書館」を仙台にオープン

若栁誉美】東北の地域医療に従事する医学生が設立した学生団体ari。そして、創業100年以上の老舗企業・お茶の井ヶ田。仙台の学生団体と企業が協働して1月30日、誰でも気軽に立ち寄れる「小さな図書館」をオープンする。なぜ今、「図書館」を作るのか?オープン記念イベントを前に、学生団体ari代表の小川泰佑さんにお話を伺った。

学生団体と老舗企業が地域課題に挑戦

今回の企画は、地域の課題解決に寄与する若者の優れた取り組みを表彰する「仙台若者アワード」から生まれた企画だ。同イベントには地域企業と若者団体が協同して課題解決に取り組む「協働部門」があり、この協働テーマとしてお茶の井ヶ田が「お茶とお菓子で孤立を防ぐ!新しい仙台のお茶文化モデルの構築」という課題を提供。このテーマと学生団体ariの活動内容と共通する部分があることから、両者が協働して構想を実現することになった。

学生団体ariとお茶の井ケ田のオンラインでの打ち合わせの様子

「学生団体ari」は、小川さんをはじめ東北医科薬科大学の1年生7名で結成された団体。代表の小川さんは、病院の中だけでなく住民の暮らしに寄り添いながらよりよい予防や治療を提案する医師「コミュニティドクター」を目指している。小川さんをはじめ将来東北の地域医療に従事することを目標にしたメンバーたちは、自分たちから積極的に地域に出ていき、住民との交流を深める取り組みを進めている。今回の「小さな図書館」も、その活動の一環だ。

「病院のなかで患者さんと医師という関係性だけで接すると、患者さんの普段の生活が見えにくくなります。日常生活の積み重ねである人生を診て、その人生を大切に支えるための医療を提供するために、同じ住民として交流できる場が必要であると考えました」(小川さん)

社会的孤立の解消を目指して

小さな図書館の名は「井ヶ田図書館」。お茶の井ヶ田のお茶やお菓子、誰もが馴染みやすい「本」という存在、そして医大生たちが提供できるケアを掛け合わせることで地域に助け合いのコミュニティをつくり、社会的孤立の解消と地域包括ケアの拡充を図ることがねらいだという。

新型コロナウイルス感染症対策のため、本の貸し出しは当面行わず、図書館での閲覧のみ。土日はariのメンバーが勉強相談会を開いたり、お茶を用いたワークショップ、ものづくりのイベントもゆくゆくは実施したい、とのことだ。

図書館の準備をするariのメンバー

1/30にはオープンイベントも

オープンは1月30日(日)。同日にはオープン記念イベントが開催される。当日はariのメンバーが手作り屋台でお茶を配り、図書館のオープンを宣伝する。イベントの詳細は以下。

【井ヶ田図書館オープンセレモニー】
開催日時 :2022年 1 月 30 日(日)14:00~17:30
会場 : 喜久水庵 東仙台店(〒983-0031 宮城県仙台市宮城野区小鶴 3 丁目 8-8)
アクセス:JR 東北本線「東仙台」駅 徒歩 15 分
参加条件・申込方法 :特になし。当日喜久水庵東仙台店へ。
公式サイト : https://machi-library.org/where/detail/7087/

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