【佐藤和文】この連載では、2019年の秋ごろから仙台圏を中心に身近なジャズシーンを歩き、一方で、筆者自身のジャズ体験をルポするという、一風変わった構成にしてあります。ジャズ関連の知識や情報、練習で得た気づきなどはとりあえず「取材ノート」に放り込み、取材や練習のペースに合わせながら整理したり、発展させたりしています。直近のメモを読み返してみると、60過ぎて急に高まったジャズアドリブへの関心が、どの部分でつまずいているか、どの部分を面白がっているかがよく分かります。
以下、最近の「取材ノート」を再チェックし、課題を箇条書きに並べてみました。長文です。楽器をやらない人には何のことか分からないかもしれません。理論的な知識や技術的なポイントも多く、必ずしも音楽的に正しいかどうかを突き詰めていない書き込みもあります。自分の立ち位置をしっかり把握し、効果的な練習につなげるため、あえて踏み込んでいません。今後の課題です。
▼テーマ(メロディ)の習得を!
▼基本的なスケールに戻り、可能な限り定着させる。
→マイナーコードなら全音上のメジャースケールでアドリブ。ドリアンスケール。
→7thコードなら場面に応じてミクソリディアン、オルタード、コンディミ、ホールトーンなどのスケールが使えるが、あまり難しく考えても仕方がない。実際に演奏しサウンドするかどうかを確認しながら進まないと身につかない。
→音の並びを覚える方法はいくつかあるが、結局、音と音の距離で覚える「全・半」方式が最も有効か。
▼メジャーとマイナーのⅡ-Ⅴ-1への対応。意味を理解したい。
→マイナーの場合のHMP5↓(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ)のおさらい。メジャー、ミクソリディアンからの導き方。4度上のハーモニックマイナーと同じ並びだということ。C#7の場合、F#ハーモニックマイナースケールと同じ。
▼コードトーンマスター。メジャースケールと同じくらい重要。というか、アドリブで迷ったらコードトーンか?
▼リズムが大事
メロディを意識しながらアドリブ用のリズムを口ずさめる?筆者は下手なドラマーでもありますが、難しい。
▼発音が大事。呼吸を過剰と思えるほどに深く、しっかり。シンコペーション注意。タンギング、フレーズの止め命。
▼ブルースへの対応
→ペンタトニック理解。特にマイナーのペンタトニックとブルーススケールの関係。アドリブする際にメジャーとマイナーを組み合わせる考え方があるが、どんなときにどんな選択をすればいいのか、いまひとつ分からない
マイナーペンタトニックは音と音の距離で覚える方が合っているらしい。ペンタトニックは5つの音からなるフレーズだし、記憶体質(?)に合っているかも。
1.5,1.0、1.0、1.5。
▼ペンタトニックスケール(一般)の習得・練習法。サックス教室の教材資料あり。
▼ディミニッシュdimコードの理解。半音下のメジャートライアドの3、5度。ルートは変えない。
→Cdimは、ルート(C)プラス半音下のメジャーコード(Bメジャー)の3度(E♭)と5度(G♭)
C#dimはCメジャー(ドミソ)の3、5度を使うので、C#、E、G
▼ハーモニックマイナーの覚え方
→完全5度下のメジャートライアド(ドミソシ♭)を構成する音の、それぞれ半音上をはさみこむ。ややこしい。実際に使えるか?ちょっと無理。
→マイナーの2-5-1の場合 1のハーモニックマイナーを使う。つまりは5のトライアドに半音上のトライアドをはさみこむ。
→ハーモニックマイナーを覚えるには、ナチュラルマイナーの7度を半音上げる、を使うか「全・半」方式で?
→「全・半・全・全・半・1.5・半」。特徴的なスケールは演奏しながら丸ごと覚える方がいい。
→オルタード 「半・全・半・全・全・全・全」
→マイナーペンタトニック 「1.5、1.0、1.0、1.5」
+♭5でブルーススケール
▼オルタードに至る3つのルート:実際は(3)が一番有効か?
(1)半音上のメジャースケールを♭3にする=メロディックマイナースケール
(2)半音下のメジャースケール。ルートだけは下げない。(ルート以外の音はすべて半音下げる)
(3)ルートから「半全半 全全全全」
▼コンディミ(8音)は「半全半全半全半全」
▼HMP5↓は「半1.5半全全全全」
▼当面、オルタードに集中!
▼曲によってアドリブする手がかりが幾つかあるので、それを理解し、技術的にも実施可能なレベルに練習自体を持っていくことが必要。手掛かりは多く、それを裏付ける理論も複雑で手に負えない感じだ。
▼理屈と技術を同時並行で。2歩進んで3歩下がる感じ。
▼アプローチの方法はいくつもあるが、今現在、筆者のレベルでは、まずコード進行を軸に。曲の構成を理解できて、進行に応じて、使うべき音があらかじめ分かればうれしい。実際は演奏し始めると、あらかじめの理解とは全く異なる指の動きになったりする。最初、考えていた通りに演奏できるかどうかは、経験のタカによって決まってくるようだ。結局は練習あるのみ。
▼曲の構成によって、選ぶべき音は複数通り存在することがむしろ普通。その中で、自分なりにどんなアプローチをするのかが自然に決まるのが一番いい。手癖もあながち否定されるものでもないかもしれない。
▼アドリブがかっこいいのは、よく使われる演奏上のルールを踏まえている場合である。バタバタ感たっぷりの現在地。落ち着いた、いかにも音楽をやっている感がする演奏者をリスペクト。
▼曲の構成を踏まえて聴きごたえのあるアドリブを展開できるかどうかは結局のところセンスの問題。才能のことは持ち出すべきではないかもしれないが、理屈に追われるあまり、全然音楽的でない自分に気づくのはすこしつらいかも。
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