【若栁誉美】「世界一のクラゲ水族館」とも呼ばれる山形県鶴岡市の加茂水族館で毎週土曜日、クラゲの水槽を一晩無音で配信する「オールナイトカモスイ」というオンラインイベントが開かれている。クラゲの映像と共にゆらゆら過ごす、心地よい土曜の夜。イベントを始めた経緯や思いを、加茂水族館のクラゲ飼育担当・池田周平さんに伺った。
コロナでも、クラゲたちの元気な姿を伝えたい
加茂水族館では新型コロナウイルスの影響を受け、2月末から各種イベントが中止、4月上旬から5月中旬までは臨時休館に。外出自粛が続き、県内外のファンからは「行きたくても行けない」という声が届いていたという。現在水族館は再開しているが、営業終了後の水族館に宿泊して夜のクラゲの姿を見ることができる人気イベント「お泊まり水族館inかもすい」は今も中止となっている。
そんな状況でも、生き物たちは元気に泳いでいる。池田さんをはじめとする飼育員の方々は、「水族館の生き物たちは、こんなに元気ですよ!」ということを伝えたくて、配信を決めた、という。
概ね毎週土曜日、閉館後の17:30から翌朝8:30頃まで、水槽の前に一眼レフカメラを設置し、ライブ配信を行っている。
加茂水族館には60種類のクラゲが飼育されているが、当日どのクラゲを配信するかは、その時に繁殖がうまくいっている種や水族館に入ってきたばかりで元気のよい種、などの条件で決めているとのこと。2020年9月9日現在、9種類のクラゲを配信で紹介している。
動画のコメントを見ると、「かわいい」「癒される」「(配信を)プロジェクターで壁一面に投影してみています」「水族館に泊まるイベントを擬似体験できそう」と、好評だ。
週末の夜、クラゲ映像でリラックスを
営業を再開した加茂水族館だが、お盆時期は館内が密にならないよう整理券を配布し、入場制限を行った。1時間に240人、1日2000人程度に入場者数を絞り営業したとのこと。例年のお盆時期は1日あたり平均して7〜8000人、多い時では10000人程度の入場者数があったことと比較すると、今年は4分の1程度となった。
「こんなにお客様の少ない夏休みは初めてですが、来場できない方にも動画やSNSで元気な生き物たちを見てもらいたい」と池田さんは話す。
加茂水族館ではYouTubeでの配信を始め、FacebookやTwitter、Instagram等のSNSを活用し、積極的に情報発信を行っている。
テレビをつければ、新型コロナウィルスのニュースが流れない日はない。もちろん、知ることは大事だけれども、心配ばかりしていると気が病む。実際に【テレビから流れるコロナ関連の情報を見過ぎで心身に影響が出ている】人も出ている、と聞く。是非週末の夜に、加茂水族館の公式YouTubeチャンネルを訪れて、リラックスしてほしい。
*TOHOKU360で東北のニュースをフォローしよう
X(twitter)/instagram/facebook