【安藤歩美】東日本大震災で大きな被害を受けた三陸エリア一帯を盛り上げようと、岩手県陸前高田市で1万発の花火を打ち上げる「三陸花火大会」が10月31日、初開催された。
通常の観覧席のほか、巨大モニターで車内から花火鑑賞ができるドライブイン形式の会場を設けたり、ドローンからの映像をインターネットで有料生配信したりするなど、新型コロナウイルス対策を講じた新しい形での花火大会となった。
観覧席が設けられたのは、東日本大震災で被災し、今年8月に完成したばかりの高田松原運動公園。曲に合わせて色とりどりの花火が夜空いっぱいに広がるたび、会場の観客から大きな歓声や拍手が沸き起こった。観覧席の間隔を広く空けたり、混雑時に飲食エリアの入場規制を行うなど、会場では新型コロナウイルスの感染対策が徹底された。
今回の三陸花火大会は、東日本大震災から丸10年を迎える年に国内外から多くの人に三陸エリアに足を運んでもらおうと、2021年に企画されている「三陸花火競技大会」のプレイベント。実行委員長の浅間勝洋さんは「地域の復興には、若い人の力が絶対必要になる。こうしたイベントを通じて、地域の若い人が何かやってみたい、やってみようと思えるようにしたい」と、イベントに込めた思いを語る。
花火の打ち上げ前には、ステージで大槌町の鹿子踊が披露されたり、宮古市や大船渡市、住田町から物販ブースが出展されるなど、陸前高田市以外の「三陸」エリアの市町も参加して会場を盛り上げた。浅間さんは「今後は他県も巻き込んで『三陸一帯』のイベントとして盛り上げていきたい。震災から丸10年を迎える来年以降も、継続して開催していけたら」と話した。
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