石巻市内の多目的トイレをWebで一覧化「みんなのトイレマップ」で誰もが安心して出かけられる社会に

大泉さんご】石巻市内の多目的トイレの場所を一覧にしたWebサイト「みんなのトイレマップ」(以下、トイレマップ)が話題を呼んでいます。開発したのは、若者向けにプログラミング教育を行う一般社団法人イトナブ石巻です。トイレマップは、石巻市社会福祉協議会の冊子「石巻バリアフリートイレマップ」を基に製作。製作者の菅原洋介さんにお話を聞きました。

どんな人にも使いやすく工夫したトイレマップ

菅原さんは、先天性の脳性麻痺で手足と言語に障害があります。ペンを使ってパソコンを打つことから、仲間からはPen(ペン)という愛称で親しまれています。生活を便利にするITに可能性を感じ、2016年から、イトナブ石巻で働き始めました。

みんなのトイレマップ

菅原さんが製作し2023年夏にリリースした「トイレマップ」は、石巻市内140ヶ所以上の多目的トイレを掲載しています。マップ上のピンをクリックすると、多目的トイレの写真と共に、ドアの幅や固定の有無、室内の寸法などの情報を見ることができます。さらに、ベビーベッドやオストメイト、呼び出しボタンなどの設備の有無も分かります。マップから選ぶ以外に、自分にとって必要な設備でも検索を可能にしました。

「何が必要かはその人によって違う。選択するための情報を届けたい」と菅原さん。サイトの操作面でも、ボタンを大きくして押しやすくしたり、読み上げ機能を搭載したり、どんな人にも使いやすい工夫を凝らしました。

誰もが安心して出かけられるように

トイレマップ開発のきっかけは、2018年、石巻市社会福祉協議会が制作した「石巻バリアフリートイレマップ」。菅原さんは、「Webならもっと多くの情報が掲載できるのでは」と考え、了承を得てWeb化プロジェクトを開始しました。

2022年には、多目的トイレの写真撮影や調査費などのためにクラウドファンディングにも挑戦。資金を活用し、広範囲に及ぶ多目的トイレを1つひとつ実際に訪れ調査を重ねた末、2023年夏トイレマップをリリースしました。菅原さんは、「放課後等デイサービスで働く方から、マップを使っていると聞いた時は嬉しかった」と、手応えを感じています。

マップの活用を呼びかける菅原さん

菅原さんの今後の目標は、他の地域のトイレマップも制作すること。さらに、外出のハードルを下げるため、トイレに留まらない、バリアフリー情報の発信にも力を入れたいと考えています。菅原さんがIT技術とマップを通し見据えるのは、誰もが安心してまちへ出かける、多様性に満ちた社会です。

みんなのトイレマップ:https://toiletmap.net

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