加茂青砂の設計図
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加茂青砂の設計図

秋田県男鹿半島の加茂青砂のハマは現在、99人が暮らしている。人口減少と高齢化という時代の流れを、そのまま受け入れてきた。けれど、たまには下り坂で踏ん張ってみる。見慣れた風景でひと息つこう。気づかなかった宝物が見えてくるかもしれない――。 加茂青砂集落に引っ越して二十数年のもの書き・土井敏秀さんが知ったハマでの生活や、ここならではの歴史・文化を描いていくエッセイです。

  • 2022年4月8日

【加茂青砂の設計図】4番目の船「喜代丸」④27年の沈黙を経て

「集落の人たちは、ほとんど総出のかたちでひしめきあい、ぶつかりあって、手あたりしだい堤防越しに放りはじめた。板切れや丸太棒がとぶ。コンクリート型枠と灯油の空缶がなげられる。縄投げのようにロープを放ってくれる人もいる。加茂青砂の人たちは、いまはもう自分 […]

  • 2022年4月1日

【加茂青砂の設計図】4番目の船「喜代丸」③集落の長として

【土井敏秀】その日の光景はなぜか、私の頭の中でモノクロームの映像として残っている。 2011年(平成23年)5月、強風の海でマス釣り中の船外機付き漁船が転覆、乗っていた加茂青砂集落の漁師が行方不明になった。双眼鏡で事故を目撃した仲間の知らせで、住民は […]

  • 2022年3月25日

【加茂青砂の設計図】4番目の船「喜代丸」②「北海のユウジロー」加茂へ帰る(下)

【土井敏秀】「家ではニワトリ、豚、ヤギ、綿羊も飼っていた。その世話は男の子供のオレが担当だった。集落の家々には、残飯を入れる桶があって、朝起きたら、それを集めに回るのよ。豚の餌用。家畜は1頭ずつ。子豚を預かって、20kg以上に育てる。綿羊は秋に農協の […]

  • 2022年2月25日

【加茂青砂の設計図】三番目の船「政運丸」④村で必要な人間

【土井敏秀】捷昭さんの船外機付き小舟は、孫の名前を借りて「迅丸(じんまる)」という。この船には2台の船外機のほかに、ソーラーパネルを1枚つけている。これで作った電気で、網上げ作業だけでなく、演歌のⅭⅮなんかをかけるのだ。それも海の上で、大音量で。そん […]

  • 2022年2月18日

【加茂青砂の設計図】三番目の船「政運丸」③同病相哀れむ話

【土井敏秀】夏には車エビ、サザエの最盛期となり、秋はメジマグロを追いかけ、冬に入る。秋田であり、男鹿なので、ということで、なんたって、ハタハタである。捷昭さんがハタハタを見つめる目は……ほかでは出会えない。 ーーハタハタな。網仕掛けるのを止めて、何年 […]

  • 2022年2月11日

【加茂青砂の設計図】三番目の船「政運丸」②「じゃん」を使う人

【土井敏秀】「うわぁ、何年、いや十数年ぶりだろう」。身を引き締める風が顔をたたく。エンジン音が心地よく体に伝わってくる。振り向けば、白い航跡が船の後ろに続いている。1月下旬の凪の日、船は冬の水平線に向かった。 加茂青砂集落の港を出て、5分も経っていな […]

  • 2022年2月4日

【加茂青砂の設計図】三番目の船「政運丸」大友捷昭さんの物語①「マグロ」タイプの人

【土井敏秀】大友捷昭(かつあき)さん(76)は、漁師のほかに「リサイクル工房主」の肩書を持つ。集落の港のすぐそばに、その作業場が立っている。入口に最近、2枚の「格言」を張った。「この村に必要な人に成りたい 宮沢賢治」「人に惜しまれる人間に成りたい 小 […]

  • 2022年1月28日

【加茂青砂の設計図】二番目の船「真漁丸」佐藤真成さんの物語③海幸丸と50㏄バイク

【土井敏秀】「刺し網でな、すごい漁をしたことがあるんだ。何回も」。よそに働きに行くことをやめ、自分の船だけで漁をするようになってからの話になると、真成さんの口から次々と笑顔の話が飛び出す。 「仕掛けた網の全部にカレイが刺さっていたことがある。手を引っ […]

  • 2022年1月21日

【加茂青砂の設計図】二番目の船「真漁丸」佐藤真成さんの物語②身の丈に合った宝物

「あん時は、涙が止まんなかった」。30年もの間、海での漁をともにした「真漁丸」が、コンテナ専用車でハマを離れていく。昨年11月のことだった。廃船したばかりのころ、真成さんは係留していた岸壁に行っては、寂しい思いを味わう日々が続いた。「朝マ、ハマさ行ぐ […]

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