男はいつか、水平線を目指すー秋田・八峰町で3日間の漁業体験

  • 2016年9月29日
  • LIFE

 今回の研修の定員は15人。30人から問い合わせがあり、定員を確保。10人がキャンセル待ちとなった。中には「一緒に漁業をやりたい」という夫婦もおり「こんなに来るとは。予想もしてなかった」と主催者側を驚かせた。本人負担は2泊3日、7食付き5千円だったが、レジャー気分の人は最初から断っていた。全員が男性で秋田県内が9人、県外からは宮城2人、青森、新潟、神奈川、千葉各1の6人が参加した。

 「漁師になりたいから、ここに来た」(34歳)「大学に入ってから、1次産業に興味がわき、農業は体験したので、次は漁業です」(大学生)「大学を出て、普通にメーカーに就職した。2年たったが、これでいいのか、と悩んでいる。漁師には元々、興味があり、インターネットでこの研修を知った」(25歳)「自然の中での仕事が好きだし、漁師も選択肢のひとつです」(37歳)「そろそろ田舎で暮そう、と決めているのですが、子供の教育などを考え、いまひとつ勇気が出なくて。とにかく体験しようと参加した」(42歳)「漁業をする資金を貯めるため、割と給料が高い非正規の仕事をしている。残りはあと1年半。この体験を踏まえて、漁業の道を進んでいきたい」(32歳)などと、その動機を話す。間もなく60歳を迎える3人の動機はほぼ同じ。「定年後に好きな釣りをして、暮らすことを考えている」と、趣味と実益を兼ねられないかと、模索している。そのうちの1人は、すでに「自給自足の生活を八峰町で」と決めている。

別の漁船から底引き網漁を見学(鐙啓記撮影)
別の漁船から底引き網漁を見学(鐙啓記撮影)
底引き網漁船の水揚げを興味津々に見学する(鐙啓記撮影)
底引き網漁船の水揚げを興味津々に見学する(鐙啓記撮影)

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