市民活動の現場をのぞく「大人の社会見学」仙台で開催

「市民活動おじゃましまーす!」とは、市民活動の現場をめぐるイベント「仙台ちょっとまち歩き」のパンフレットのタイトル。仙台市民活動サポートセンター(通称・サポセン)の主催で、3時間という短時間に3カ所以上の市民活動の現場に行き、担当者に会えるまち歩きツアーだという。ひと味違う大人の社会見学ができると聞き、参加してみた。 【阿部えりこ/東北ニューススクール】

 9月24日土曜日午前10時にサポセンに集合したのは、まち歩きの企画を考えている大学生や、市民活動に関わっている幅広い世代の男女計9名。今回のツアーの舞台・青葉区国分町と春日町は、飲食街でもありオフィスビル、マンションが立ち並ぶ。普段気づかずに通り過ぎているかもしれない市民活動の現場。「訪問して市民活動を体感して、何かに気づき興味をもってほしい」と、サポセンの担当者に趣旨を案内してもらった。

スタッフの案内を聞きながら定禅寺通りグリーンベルトを歩く(9月24日、阿部えりこ撮影)
スタッフの案内を聞きながら定禅寺通りグリーンベルトを歩く(9月24日、阿部えりこ撮影)

 担当者の案内を聞きながら、定禅寺通方面に向かう。訪問先1件目は「日本駆け込み寺仙台支部」。 日本駆け込み寺が取り組んでいる課題は、DV(ドメスティックバイオレンス)、虐待、ひきこもり(親に対する暴力をともなうケース)、ストーカー、モラルハラスメント、自殺防止に集中しているという。警察も行政も介入できない状況下での肉体的暴力や精神的暴力の被害者を支援するとともに、加害者の「自分を変える努力」も支援することも活動方針だ。「どこに相談しても、これらの問題が解決せず悩み苦しんでいる人々に駆け込み寺の存在を知ってほしい」という思いで、支部長の中島一茂さん、スタッフの武藤晃子さん、ボランティアスタッフの方々が、電話および面接で相談を受けている。

2件目は「NPO法人アマニ・ヤ・アフリカ」。アフリカに教育支援、経済的自立支援、文化交流を行っている団体だ。国際支援の現状について説明を聞き、30分くらいの滞在の後は春日町に今年6月オープンした「シェア型複合施設 THE6」へ。THE6に事務所を構える「一般社団法人Granny Rideto(グラニーリデト)」代表・桃生和成さんに施設のコワーキングスペースや居住スペースなどを案内してもらった後、これからの新たな市民社会の形を東北から発信していこうと出版、編集、まちづくりなどの事業を推進しているという興味深い話を聞くことができた。

国分町のビルにある「日本駆け込み寺 仙台支部」の看板(阿部えりこ撮影)
国分町のビルにある「日本駆け込み寺 仙台支部」の看板(阿部えりこ撮影)

 現場で直接、市民活動団体の担当者の話を聴ける機会は多くはない。それを一日で数カ所の、幅広いジャンルの現場に行けることは魅力的だった。徒歩移動の間は、市民活動についての情報交換をするなど参加者同士も交流することもできた。時間配分や段取りもよく、充実した内容のまち歩きという印象だった。
第2回は、長町エリアを検討しているそうだ。日程は調整中。詳しくは仙台市民活動サポートセンターのホームページ http://sapo-sen.jp/  または「サポセンブログ@仙台」http://blog.canpan.info/fukkou/ を確認。

春日町「シェア型複合施設 THE6」の屋上。これまで花火大会の鑑賞や、バーベキューパーティでの利用があったという(阿部えりこ撮影)
春日町「シェア型複合施設 THE6」の屋上。これまで花火大会の鑑賞や、バーベキューパーティでの利用があったという(阿部えりこ撮影)
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