【インドを視る②】京都で活躍する若き青年 インドに関わる仕事で奮闘

連載コラム・インドを視る】急成長を続けるインド。ムンバイ経済新聞編集長で、インドでのビジネスを展開する小里博栄さんが、現地の経済から人々の文化・生活まで、肌で感じた「インドの今」をリポートします。

インドの魅力を発信すべく立ち上げた会社で、日本とインドを繋げる

 祇園祭りの準備で大忙しの初夏の京都にて、阪急大宮のとあるインド料理レストランへランチをしに訪ねた。筆者が運営するインド法人マイドインディアで数年前、数週間インターンを勤めてくれた伊勢司(いせつかさ)さんの店だ。

 1988年生まれの伊勢さんは若い実業家で、エネルギーとパワーがみなぎる好青年だ。10歳のとき、初めて1ヶ月間のインド旅行を経験し、同志社大学商学部卒業した後、バナーラス・ヒンドゥ大学観光経営学科修士課程を卒業。「日本とインド、人をつなぐ」をモットーにした「(株)ジャパンディア(JAPANDIA)を2015年に立ち上げる。現在は京都にて旅行部門、レストラン部門(本格南インド料理)、サロン部門(アーユルヴェーダ)を展開している。

 伊勢さんはインドが大好きだ。彼の母親も、彼のお店のチームも、みなインドが大好き。そして筆者も、インドが大好きである。インド好きの我々としては、もっと大勢の人に良さを知っていただき、楽しんでいただき、インドを好きになって欲しい。しかし、インドの印象がもともと良くない人、嫌いな人があいにく大勢いる。汚い、騙された、下痢をする、上手く連絡が取れない、時間にルーズなどの意見をよく耳にする。

 確かにインドは完璧には程遠いかもしれないが、良さは沢山あると思う。料理はとても美味しいし、ヨガ、アーユルヴェーダ、瞑想などを生んだ奥の深い魅力的な国だと私は思う。

 京都の祇園祭も、実はインド東部で行われている伝統祭にルーツがあるが、なかなか日本人には知られていない。今以上にインドの歴史、文化をもっと学び、それを発信すべく、今後もインドへ貢献していけたらと願って止まない。

京都祇園祭で使われる山鉾は、インド東部の伝統祭「ラタジャトラ」の山車が原型だと言われている

*小里博栄
株式会社LA DITTA代表取締役、シンガポール経済新聞・ムンバイ経済新聞編集長。神戸生まれ、オックスフォード大学院卒。英ヴァージングループ、ダイソンの日本市場進出・マーケティングを経て、株式会社LA DITTAを創業。インド、シンガポール、日本、欧州などでグローバルに事業を展開する。インドでは2007年からビジネスを展開、インド最大の「クールジャパンフェスティバル」(15万人来場)を5年開催。日印文化交流の担い手として、日本食材の輸出、アンテナショップ事業、中小企業庁販路拡大事業、観光庁中間富裕層の訪日促進事業などマルチに活躍中。