東京フィルメックスの存続決まる。木下グループが支援/第71回カンヌ国際映画祭報告(2)

【齋藤敦子(映画評論家・字幕翻訳家)=フランス・カンヌ】オープニングの翌日の9日午後、フランスの映画製作・配給会社MK2のオフィスで、海外の映画祭関係者、日本のジャーナリストを招き、新生・東京フィルメックスについて、市山尚三プログラム・ディレクターから発表がありました。

これまで東京フィルメックスはオフィス北野から全面的な支援を受けて開催されてきましたが、ビートたけし/北野武さんがオフィス北野を離れることになったのをきっかけに、支援が打ち切られることになり、ディレクターの林加奈子さんやスタッフが辞めるなど、今後の存続が危ぶまれていました。

市山さんの話によれば、何とか続けられないかと思案しているところに、フィルメックスで審査員を務めたこともある鈍牛倶楽部の國實瑞惠社長が仲介役となり、映画製作・配給会社キノフィルムズを傘下に持つ木下グループが支援に乗り出してくれることになったのだそうです。今年も予定通り、11月17日から25日まで有楽町の朝日ホール他で開催されるという嬉しい発表でした。

ちなみに、会場を提供してくれたMK2は、パリを中心に映画館のチェーンを持ち、アート系の映画を積極的に配給している会社で、ちょうど今、濱口竜介監督の前作『ハッピーアワー』をフランス公開しています。創設者は映画監督でプロデューサーのマリン・カルミッツ氏で、今年のカンヌで功労賞が贈られることになっています。

写真はMK2のオフィスのテラスで開かれた発表会のときのもので、右から鈍牛倶楽部の國實瑞惠社長、木下グループ広報の和田野和尋さん、市山尚三プログラム・ディレクター、キノフィルムズの武部由実子社長です。

【齋藤敦子】映画評論家・字幕翻訳家。カンヌ、ベネチア、ベルリンなど国際映画祭を取材し続ける一方、東京、山形の映画祭もフォローしてきた。フランス映画社宣伝部で仕事をした後、1990年にフリーに。G・ノエ、グリーナウェイの諸作品を字幕翻訳。労働者や経済的に恵まれない人々への温かな視線が特徴の、ケン・ローチ監督の「麦の穂をゆらす風」なども手掛ける。「ピアノ・レッスン」(新潮文庫)、「奇跡の海」(幻冬舎文庫)、「パリ快楽都市の誘惑」(清流出版)などの翻訳書もある。

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