【続・仙台ジャズノート#92】基本に戻ろう。コードトーン編

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】この連載の90回目で「課題再整理。コード進行に集中する」と書きました。コード(和音)に関する約束事、特に「コードトーン(和音を構成する音)」の把握は個人レッスンでも最も初期に出合った、基本中の基本の課題でした。初心者には荷が重く、必要な部分を虫食い的に理解するのにとどまっていたので、あらためて基本に立ち戻り、可能な限り広い視野でコードトーンを覚えようというわけです。手始めにコードトーン「C△7」「D♭△7」などと続くメジャーコード系の音構成を覚えることにしました。だいぶ遠回りの末、基本に戻って結果はどうだったのか。少し先回りして書くと、70代の記憶力も、工夫次第で案外、捨てたものでもないかもしれません。

もちろん、漠然と、あるいは音の高さ順に箇条書きに並べて覚えようとしても無理なことは初めから分かっていました。以前にも書きましたが、何しろメジャーコードだけで12種類あるうえ、最も一般的なマイナーコードも12種ずつ3系列、さらに7th(セブンス)コードが12種あります。最も初歩的なコードだけで60種類ある計算になります。

そこでまず12種のメジャーコードをパターン別に分けることにしました。#、♭の臨時記号がまったくつかないタイプ、すべての音に臨時記号がつくタイプ、コードの基本となる「ルート(根音)」と5度の音に♭がつくタイプなど、8つのパターンで考えることにしました。A4版の用紙にタイプごとにコードを書き出す練習をしてみたら、20分ぐらいで頭に入ったようでした。あらためて気づく70代の脳の実力。(笑)

自己流なので音楽理論と直接関連するわけではありません。いかにも素人っぽいと笑われるかもしれませんが、自己流とは面白いもので、仮に忘れても自分なりに思い出すためのスイッチが入りやすくなることもあります。

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もちろん、覚えることと、実際に演奏できることは別物なので、パターンが頭に入ったら実際に楽器を使って繰り返し練習するようにします。パターンで分けたことと、指使いが隣り合うようになるのにそんなに時間はかかりません。ついでにコードトーンをさまざまに組み合わせると、コードを使ったアドリブの練習としてもだんだん面白くなります。楽器を使った練習を繰り返しながらそれぞれのコードのイメージをつかめるようになればしめたものです。アルトサックスを手にしたばかりの初期段階とは違って、たとえ下手っピでも、アドリブらしきものができるようになると、いろいろなことを実感できるようになります。

同様にメジャーコードを何とか覚えればマイナーコードや7th(セブンス)コードを導くことができます。たとえばメジャーコードの7度の音を半音下げると7thコードになります。メジャーコードの3度と7度の音を半音下げるとナチュラルマイナーコードになります。この点は初期段階の知識としても一応頭にあるポイントです。メジャーコード自体が持つ基準値的な性格と言ってもいいはずですが、単に理屈として覚えようとするのと、アドリブの面白さや難しさを実感しながら身に着けるのではだいぶ違います。

この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。

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