【続・仙台ジャズノート#94】POD出版が2冊になりました。TOHOKU360との連携

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】 2023年も残すところあと1カ月。サックス志願10年を節目として、広げすぎた活動を整理しつつあります。2011年以来、通算8年にわたって参加してきた社会人のビッグバンドの活動を一時休ませてもらったのもその一つ。空いた時間を個人ワザとしてのジャズに集中させようと、調子のいいことを考えています。

TOHOKU360との連携が大きな収穫でした。

60代半ばになって始めたサックスの腕は、いまだにどうかと思うレベルですが、何よりも自分自身が楽しいのだから良しとします。暗中模索のサックス志願を通じていろいろな縁ができました。難しい課題は山積しているし、手を広げすぎた感もあるけれど、どんな条件がそろえば印象深いアドリブができるようになるのか、少しはイメージできるようになったかもしれません。

 収穫といえるほどではないけれど定年後の暮らしを支える大きなフィールドができました。特に仙台発の地域密着型ネットメディア「TOHOKU360」の協力で「仙台ジャズノート」「続・仙台ジャズノート」を連載することができたのは大きかった。「仙台ジャズノート」は週1のペースで34回。続編にあたる「続・仙台ジャズノート」も間もなく100回を迎えます。「仙台ジャズノート」34回分と、「続・仙台ジャズノート」の78回目までの記事を2冊の本としてまとめました。「仙台ジャズノート-暮らしの中で芽吹くオト、つなぐオト」(2021年、金風舎)と「アドリブの『ア』 60代からのジャズ志願」(2023年、ネクパブ・オーサーズプレス)。アマゾンで紙の本と電子書籍の両方で入手できる「POD(PRINT ON DEMAND)出版」という、新しい出版スタイルをとっています。

TOHOKU360に週1回のペースで連載し、同時進行の形で出版の可能性を模索する作業は、長い間、取材者、編集者として活動してきた経験からしても、手ごたえを感じるものでした。取材させていただく人との関係で新しい方法を試すことができました。TOHOKU360との連携によって、ネット社会におけるフリーランスの仕事の形を模索できたのは、新しい経験でした。

熱心なリスナーの姿が目立ちました。

もちろん、主眼は地域で活動する身近な演奏家たちへの取材を重ねることでした。筆者が若いころには、米国から時折やってくる「外タレ」や東京で活動している有名な演奏家のジャズを楽しみに聴いたものですが、今では身近な地域でも、視界が広くてジャズ精神に富む、若い演奏家が力をつけています。手前みそながら壮年から高齢世代が息長く活躍しているアマチュアの活動に接することができたのも意義のあることでした。

長期に渡るコロナ禍もあって、地域のジャズ界隈は一時、冷え込みました。連載の企画段階とは異なる状況に、かなり戸惑いもありましたが、取材現場で知り合った演奏家のみなさん一人ひとりの言葉や行動に勇気をもらったような気がします。フリーの取材者、編集者としてできることは限られていますが、人の縁やITの力をうまく活用することで可能になることも多いのではないかと考えているところです。

この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。

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