【続・仙台ジャズノート#97】下手っぴながら、ブルースが楽しい。

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】学生時代にドラムで参加したバンドがブルースのコード(和音)進行でアドリブ(即興演奏)の練習をしていたこともあり、ブルース特有の和音の進行にはなじみがありました。しかし、それもロック系の自己流リズム担当としての話です。ジャズのブルース理論は最初から難しい印象を伴ったし、メロディ楽器で向き合う環境は、同じ料理のはずなのに調理法がさまざまある不思議な世界でした。

そんな経緯もあり、初歩的な段階から「ブルース」というジャンルを意識してきました。あれこれ知識を得て、下手っぴでも何とか演奏する機会を見つけていくうちに、ブルースには初心者にも親しみやすく、何となく理解できる道筋があるように思えてきます。

ブルースをアドリブで演奏できるようになるための基本的なポイントは幾つもあります。それらのポイントを単純なものから可能な限り並べてみると、ブルースの特徴がぼんやりとではありますが見えてきます。いろいろ難しく考えるときりがないので、ブルースを演奏するときに使えるスケールを、とりあえずマイナーとメジャーの二つの「ペンタトニックスケール」(5つの音から成る音階)と考えておきます。もちろん、スケールの音を順番に並べるだけでブルースらしくなるわけではありません。この点では「先人のフレーズをコピーして、ブルースの言葉として習得する」とよく言われます。最初からそんな耳と技術が備わっているわけでもありませんが、ごく短い「先人のフレーズ」をなぞり、自分なりに広げていく練習が最も実になる感じです。いずれにしろ筆者の今のレベルではとにかく演奏してみて、しっくりくるか、こないかを確かめる以外にありません。ニュアンス確認のための繰り返し練習が必須です。

今年最後(おそらく)の記事を執筆中です。

ふたつのペンタトニックスケールに「ブルーノート」と呼ばれる、いかにもブルースらしい雰囲気を醸し出す音を絡めると「ブルーススケール」と呼ばれるスケールになります。ブルーノートをどこでどのように使うかは、これまた大問題。センスも問われます。

メジャーのブルーススケールは妙に外れる感があって「合わない」「変だ」と思うことが多い。難しいです。熟練者の域に達すると、その外し方自体、ブルースになるようですが、経験値なさすぎの筆者の場合、マイナーのペンタトニックスケールにブルーノートを組み合わせる方がいかにもブルースっぽい響きに聴こえるようです。

ペンタトニックスケール以外に使えるスケールはほかにもあります。今、筆者の視界に入っているのは「ミクソリディアン」「ビバップ」と呼ばれるスケールです。それぞれにこつがあり、簡単ではありません。スケールの種類や名称はともかくとして、使い方をいろいろ試しているうちが花。なんとなくそれらしい形になればしめたものです。何かつかんだと思っても、実際に演奏に使えるようになるのはまた先の話です。人前ではなかなかうまくいかないし、人前で演奏しなければ度胸もつきません。

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