震災から10年目の仙台からお届けする詩と写真の連載「手紙」。詩人・武田こうじさんの詩に、編集長が写真で返信します。
“こんや”
こんや ここからみえる つきと
あした ここからみえない つき
まだ なまえはないけれど
ここにいる ほしと
まだ ことばはしらないけれど
もうたくさん おしゃべりしている ほし
たいようのちかくで かみをかわかしている
よるのふかいところで のどがかわいている
ぼくたち いま なんねんせいかな?
であうことは こわいことだけど
さようならだけが ぼくたちのものだから
めをとじる こんやと
なみだをおとす あした
はやいな すぐだな
いつも なつかしい
“Tonight”
The moon that can be seen from here tonight and
The moon that cannot be seen from here tomorrow
Here are some stars
though they don’t have their names yet
Others have started to talk a lot
though they don’t know how to speak yet
Near the sun, I am drying my hair
Far into the night, I get thirsty
I’m wondering what grade we are in now
Although every encounter is scary,
sayonara is only ours
tonight that I close our eyes
tomorrow that I shed our tears
It’s been so fast, too soon, all the time that I miss you
詩:武田こうじ
写真:安藤歩美(宮城県栗原市)
*TOHOKU360で東北のニュースをフォローしよう
X(twitter)/instagram/facebook