大崎八幡宮になぜ「鶏」がいるのか その謎を追った

【石川聖=仙台市】1607(慶長12)年に仙台藩総鎮守として開かれた国宝大崎八幡宮。ある日、境内を歩いているとふと目に入ってきたのは、鶏でした。

なぜここに鶏がいるのか。驚きでいっぱいでした。ほとんど動きませんが顔はキョロキョロしているので、置物ではありません。しかも1羽ではなく、5羽です。参拝を続けながらも鶏がいる事実が頭から離れず、取材を始めることにしました。

さっそく聞き込みを開始

まずは気持ちを落ち着かせるため、境内にある「休憩所 鞍」でお茶をしながら、情報収集です。スタッフの方にお話を聞くと、「この鶏の種類はチャボで、放し飼いで5羽くっついて境内のいろいろな場所に移動している。」と教えてくださいました。どこから来ているチャボなのか聞くと、「神社で飼っている」とのこと。聞けば聞くほど興味が湧き、社務所でさらに詳しく聞くことにしました。

鶏と神社の意外な関係とは?

権禰宜(ごんねぎ)の及川剛幸さんが教えてくださいました。5羽の鶏はすべて雄で、宮司さんが1年半ほど前に連れてきたそうです。鳥居の語源が、鳥(にわとり)の止まり木だという説があり、神社にとって神聖な場所の神様のお使いの鳥でもあるとのことでした。

「生き物と触れ合える場が神社にあることで参拝する方に和んでほしい」という思いもお聞きし、背景を知ることで神社を訪れる楽しみが増えたような気がします。境内から逃げることはほとんどないそうですが、「八幡交番から届けられたことがある」というエピソードも聞かせていただき、地域とのつながりも生む鶏にもなっているように思いました。

及川さんによると、こんなお話もあるようです。

「その昔、毎夜一羽の金色の鶏が橋の欄干に来て鳴いていたんだそうです。朝の時を告げるはずの鶏が、どこからともなく毎夜来ていることに気味を悪く思った人々は八幡宮にお参りしました。そこで、絵馬の中に入っていくその鶏を見たそうです。人々が絵馬に金網を張ると鶏は出てこなくなりました。しかし、その夜から降り続いた雨で水害に見舞われ、人々は鶏が洪水の危険を知らせるために、毎夜鳴いていたことを知りました。それから鶏が来ていた橋を『鶏橋』と名付けたそうなんです」

そして、「この鶏橋は、大崎八幡宮の近くにあるんですよ」と。もちろん向かわずにはいられません。

いざ、「鶏橋」へ

お話を聞き、すっかり愛着の湧いたチャボ5羽に別れを告げ、八幡宮の近くにあるという鶏橋へ足を運んでみました。この場所はこれまで何度か通っているはずですが、初めて気付いた鶏のモニュメント。見ているようで見ていないことを痛感しましたが、鶏と八幡宮のご縁を知った後ということもあり、自然と手を合わせている自分がいました。

ふと、沢の方に目をやると、石像があることを発見!一体何の像で、どうしてここにあるのか-。八幡町への興味が尽きない時間となりました。

※4/13 20:50追記:記事中で「銅像」となっていたところを「石像」と訂正しました。ご指摘下さった方、ありがとうございました。

<今回訪れた場所 >
大崎八幡宮
住所:宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1
TEL:022(234)3606

休憩所 鞍
住所:宮城県仙台市青葉区八幡4丁目6-1(大崎八幡宮 境内)
営業時間:9:00~17:00 無休(甘味は10:00~16:00)

鶏橋
住所:宮城県仙台市青葉区八幡5丁目2付近

この記事はTOHOKU360とYotsuya Canalが今年2月に開いた「東北ニューススクール in 八幡町」の受講生の記事です。受講生たちが独自の視点から、歴史と伝統が根付く「八幡町」の魅力やユニークな人、活動を掘り下げて取材・執筆していきます。ご期待下さい!

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