【写真と詩の連載】大きいもの、小さいもの。1

  • 2019年10月4日
  • POEM

いつでも書けると思っていたことが
いつまでも書けないことに
ぼくの暮らしがある
自分の詩の書き方がないように
自分の生き方がないとわかっていても
うまく書けたらと思う
うまく生きていけたらと思ってしまう
 

子どもの近くを降る雨が
遠くの灯りを大人にして
ユラユラと痛みを鈍らせていく

うれしいもかなしいも
ぼんやりと濡れているね

返事ができないことがほとんどだけど
できないことも言葉にしなくてはいけなくて
顔色をほんの少し窺ってみる
誰の?
 

詩:武田こうじ
写真:日本デザイナー芸術学院写真映像科
pic1 by 松田奈々
pic2 by 菅野海音

【写真と詩の連載】日本デザイナー芸術学院写真映像科 × 武田こうじ
「大きいもの、小さいもの。」

ウェブメディアのTOHOKU360において、クリエイティブな発信ができないかと考えた時、日常の欠片を写真と詩で表現したいと思いました。内容連載タイトルを「大きいもの、小さいもの。」としたのは、日常の欠片、感情の欠片を表現する時、はじまりは小さいことでも、表現するという行為によってかけがえのないものになっている可能性があると考えました。それをウェブでの連載で紡いでいくことで、読者が自分にとっての日常の欠片や感情の断片、この町の一コマが大きいものなのか、小さいものなのか、投げかけていけたらと思ったのです。

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