東北大生が考えたユニークなビジネスアイデアとは?「ビジネスアイデアコンテスト」大会前の意気込みを聞いた

【PR記事】東北大学の学生たちが起業のアイデアを発表する「東北大学ビジネスアイデアコンテスト」が12月18日、オンラインで開催される。「最初から完璧を目指す必要はない。ビジネスの原石を世の中に送り出してほしい」との思いから、初めて「アイデア」コンテストの名を冠した。

18日の本選では、選考を勝ち抜いたファイナリスト8組が事業案を発表し、入賞したチームには事業化への資金も提供される。本番を控えた学生たちに、発表のアイデアと今の意気込みを聞いた。

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無機質なデバイスを「ふわふわ」にして、生活を豊かに

工学部3年の村上聡さんと4年の斉藤依緒さんが提案するのは「ふわふわ」なデバイスの開発と販売だ。テレビのリモコンやスマートフォンなど、身の回りのデバイスは固かったり無機質だったりと心地よいものではないと指摘。そこで「動物の毛皮のような手触り」で立体表現が可能な入出力デバイスを開発し、例えばふわふわのクッションを叩くとテレビが操作できる、というような「新しいライフスタイルの提案につなげたい」と話す。村上さんは「このプロダクトを通してどういう生活になるのか、見た人に想像してほしい」と語った。

寝そべりながらPC作業ができる「音声操作のOS」

医学部5年の田村慧人さんは「音声で全ての操作ができるコンピューターのOS」の開発を提案する。田村さんは「新型コロナでオンラインの講義やリモートワークが増える中で、デスクに向かってパソコンで作業するときに腰や肩の痛みなどの問題が起きている。これはそもそもパソコンがデスクでの作業を前提としていることが問題だと考えた」という。音声操作により、ベッドやソファなどでリラックスしながら作業ができるようになるとして、「たくさんの人に求められるかっこいいものを作りたい。優勝したいです」と語った。

安全な登山を実現する自走式輸送機「Mobility」

工学部機械知能航空工学科1年の児玉幸斗さんと工学研究科航空宇宙工学専攻修士1年の葛野諒さんは、安心・安全な登山を実現するためのロープ自走式輸送機「Mobility」を提案する。児玉さんは、アウトドアブームや登山者の高齢化で遭難や事故は増加傾向にある一方、登山道のインフラの整備は十分でないと指摘。荷物をロープで運べる小型輸送機を登山道に導入することで、登山者や山小屋の物資輸送や、救助隊の救助活動に活用できると話す。この技術を「宇宙エレベーターの研究から着想した」という、児玉さんと葛野さん。「新しい視点からイノベーションを生み出したい」と意気込んだ。

「サービス」をプレゼントできるWebサービス

法学部4年の鈴木刀磨さん、工学部1年の根岸諒さん、同3年の中村元さん、経済学部4年の辻かずまさん、宮城学院女子大現代ビジネス学部2年の草野すみれさんの5人が提案するのは、「サービス」をプレゼントできるwebシステム「SaaP」だ。モノではなく、美容サロンや旅行などの「サービス」を友達や家族などにプレゼントとして贈ることができる。草野さんは「サービスでいかに社会をわくわくさせられるかを一生懸命伝えたい」と話した。

ストレス対処が学べる、看護師向け教育アプリ

医学系研究科修士2年の平山英幸さん、籭恵太さん、修士1年の南理央さん、髙橋美樹さんは、看護師のストレスを減らすための教育アプリを提案する。平山さんは、病棟で働く看護師の半数以上が抑うつ傾向にある問題をデータで示し、離職の大きな原因になっていると指摘。業務中に看護師が感じるストレスにどう対処すればいいのかを学ぶ「教育アプリ」をリリースすることで、認知行動療法につなげたり、カウンセラーにつなげたりできる仕組みを提供したいという。4人は医療現場で看護師のメンタルヘルスの課題を目にしてきたといい、「本選でどういう結果でも、事業は進めていくつもり。共感する人が仲間になってくれたら」と話した。

東北大学の体育部を盛り上げる「体育局」を設立する

環境科学研究科修士2年の志村龍之介さんは、東北大学では体育部が活躍しているものの、活動がばらばらで一体感がないという課題に着目。そこで、「体育局」として法人を設立して大学から管理業務を受託し、大学の体育部全体を支援できるようなビジネスモデルを提案する。統一された大学のブランディングや広報活動、学生支援や地域交流を法人の事業として進めることで「体育部に熱狂を生み出し、東北大学を文武両道の最高峰にしたい」と意気込みを語った。

アイドルを応援するペンライトを再利用し「持続可能な推しごと」へ

工学部4年の水口竜一さんは、使い捨てプラスチックの再利用事業を提案する。水口さんはファンとしてアイドルを応援する中で、ペンライトなど「アイドルグッズには大量のプラスチックが存在する」ことに問題意識を持ったという。そこで、不要なペンライトやコロナ禍で普及したアクリル板を回収し、再利用して新しいペンライトとして事業者に販売する事業案を考案。再利用のほか、ペンライトを照明として発展途上国に寄付することも視野に入れており、プラスチックごみを減らす「持続可能な『推しごと』を実現したい」と語った。

「むだな会議」をなくすミーティングアシストサービス

工学研究科材料システム工学専攻修士1年の横浜希さんのチームが提案するのは、効率的な会議を行えるミーティングアシストサービス「D-meeting」。会議の議題の設定、会議の進行支援、議事録自動作成機能を搭載したシステムで、議論が脱線したり、何も決まらずに会議が終わってしまったりといった「むだな会議」を防ぐことができるという。横浜さんは「会議は多くの人が集まり、みんなの時間を共有しているものだからこそ、効率性を求めるべき」とサービスの意義を語った。

本選は12/18にオンラインで。観覧者を募集中

多種多様なビジネスアイデアを練り上げた8組が登壇する本選の「東北大学ビジネスアイデアコンテスト2021」は、12月18日13:00〜17:00までオンラインで開かれる。誰でも観覧無料で、webフォームからの事前申し込みが必要。

東北大学スタートアップガレージを運営する石川伸幸さん(株式会社MAKOTOキャピタル)は、「東北から新しい事業の種がどのくらい生まれるのかの鍵は、技術系高等教育機関にあり、東北大学がその大きな扉の一つ。学生のアイデアに触れ、事業アイデアの卵をぜひ一緒に応援してもらいたい」と語る。また、同じく東北大学スタートアップガレージを運営する小山田有裕さん(株式会社MAKOTOキャピタル)は、「この数年で、学生の意識が大きく変化しており、プロトタイプ開発とユーザーインタビューによるトラクションをしっかり持ってエントリーする学生が増えてきた。これは大きな質的変化で、今後が楽しみ」と語る。

コンテストの後半では、東北大学出身や在学中の起業家たちー「輝翠TECH」CEOのブルーム・タミルさん、「Adansons」CTOの中屋悠資さん、「ElevationSpace」CEOの小林稜平さん、「weCAN」代表の高橋佑生さんーによるパネルディスカッションも開催される。東北大学の学生起業家達の最前線を知る機会となりそうで、これらもコンテストの見どころの一つだ。

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