【続・仙台ジャズノート#83】身近な演奏家のライブを聴くことから始まったジャズ志願

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】60代半ば近くになって始まったジャズ志願の旅は楽しくもあり、悩ましくもあり、でした。今回は「今、どこにいる?」編。60代半ばに近くに始めたジャズ志願の旅が今、どのあたりに差し掛かっているかを自分で確認するための報告です。その時点で向き合っている課題をなるべく具体的に取り上げることを通じて、自分なりに現在地を確認する狙いです。現在地確認のための個人的な日誌のようなものです。

これまでに何度も触れたように、課題・宿題が山積する中、サックスに機会をなるべく増やす以外に早道はありませんでした。プロのサックス奏者の個人レッスンを受け、タイプの異なる二つのアマチュアバンドに参加しています。いろいろな場面に身を置くことで、少しずつニュアンスの異なる課題が同時発生するようになります。当初は荷が重かったのですが、環境の違いに応じてさまざま経験を積んだ演奏者と触れ合うことができ、初心者が手探りする環境としては、むしろぜいたくなものでした。

幾つか具体的な事例を紹介します。まず、個人レッスンを受けている師匠から出ている宿題。米国のトランペット奏者ブルー・ミッチェルの名盤「Blue’s Moods」に収録されている「I’ll Close My Eyes」のテーマを採譜します。秋の仙台恒例の定禅寺ストリートジャズフェスティバルへの準備が必要なところ、コロナにつかまってしまったため、手つかずになっていました。ジャズフェス後の練習初めの材料になりそうなので、ミッチェルさんの演奏を何度も聴いていますが、同じ高さの音をつなぐスラーの技法など、さりげないジャズ表現を聴き分けられるかどうかがポイントです。加えて「仮に聴き分けることができても、よほど注意しないと吹けない問題」がここでも再燃。難しいとばかり言っていては始まらないので思い切って吹いてみますが、ジャズレジェンドのリズム感は独特です。

大崎市で活動しているコンボ(少人数編成のグループ)では「Doxy」「It Don’t Mean A Thing(If It Ain’t Got That Swing)=スイングしなけりゃ意味ないよ」「You And The Night And The Music」「Cameleon」などに取り組んでいます。

「It Don’t Mean A Thing」はもう一つの参加バンドのレパートリーでもあります。編曲や担当するパートが異なるのでが、同じ曲をいろいろな角度からながめることにつながります。

スミマセン。宣伝です。60代半ば近くなって始まったジャズ志願の一部始終について書き散らしています。

もともとこの連載は、身近なところでジャズを楽しむための環境について考えたり、実践したりするのが狙いでした。そのために自分が住む街で活躍しているジャズ演奏家の肉声に直接触れることから始めました。時間のある限り演奏の現場に出掛け、演奏家に直接インタビューする必要を感じました。

拙著「仙台ジャズノート」(2021年、金風舎)アドリブの『あ』 60代からのジャズ志願」(2023年、Next Publishing Authors Press)」で報告しているように、60代も半ば近くなってから新しい楽器を手掛けるのはさすがにおっくうでした。学生時代から自己流で続けてきていたドラムがそこそこ面白く、社会人のビッグバンドや小規模な編成のグループで実際に演奏していました。メロディ楽器を始めると言っても、見通しがあったわけではありません。

が、よくよく周りを見渡してみると、シニア世代向けの音楽教室も珍しくありませんでしたし、実際に動いてみると、ジャズ音楽が好きな人がとても多く、ジャズへのかかわり方も、多岐にわたっていました。サックスのプロ奏者である師匠に巡り合えたこともあり、手探りや試行錯誤を繰り返しながらなんとか進んでいます。

この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。

これまでの連載はこちら

*TOHOKU360で東北のニュースをフォローしよう
X(twitter)instagramfacebook

>TOHOKU360とは?

TOHOKU360とは?

TOHOKU360は、東北のいまをみんなで伝える住民参加型ニュースサイトです。東北6県各地に住む住民たちが自分の住む地域からニュースを発掘し、全国へ、世界へと発信します。

CTR IMG