【若栁誉美】日本一のりんご生産量を誇る青森県弘前市。そんなりんごのまち・弘前市で「アップルパイ専用記録ノート」が発売されたとの噂を聞きつけ、その誕生秘話や楽しみ方を取材しました。
弘前には40店以上ものアップルパイがある!?
青森りんごTS導入協議会が運営する「りんご大学」webサイトによると、青森県のりんご生産量は46万3千トンと、2位の長野県の3倍以上。その青森県産りんごの約4割、国産りんごの約2割が青森県弘前市で生産されています。弘前市は2007年にりんごの消費拡大を図るため「りんごを食べる日を定める条例」を制定。毎月5日を「りんごの日」と定めました。
記者は、10年前に果物アレルギーを発症するまではりんごが大好きでした。好きな品種はジョナゴールド、平川市にある温泉のりんご風呂も好きでした。今は1年に数回、体調のよい時に果物を口にする程度ですが、りんごの透明な甘い香りが今でも好きです。
ある日、こんな投稿を目にしました。
アップルパイ専用の、APPLE PIE log note(アップルパイログノート)。
「専用ノートを作るほど、アップルパイの種類があるの?」と疑問を抱き調べてみたところ、弘前市内だけでも、県産りんごを使ったアップルパイを提供するお店が40店舗以上あるそう。また、最新版で第14版になる「弘前アップルパイガイドマップ」も提供されていることを知ります。
今回、アップルパイログノートの発案者である弘前観光コンベンション協会の野村いずみさんに、電話で、アップルパイログノートの誕生秘話を伺いました。
「自分の言葉で記録を残してほしい」
野村さんは業務の中で、観光に関するセミナーを受講。その際「ターゲットを絞り込んで商品開発をする」ことを学んだそうです。広く浅くよりも、狭く深く。そこから「アップルパイ専用のログノート」を思いついたということです。
「映画や本の感想を書き残す専用ノートが出ていることと、先輩方の作った『アップルパイガイドマップ』があることから、アップルパイの記録を残すノートにたどりつきました」
観光コンシェルジュの先輩方が自分たちで食べ比べて作成した「弘前アップルパイガイドマップ」は、今年で第14版。「ガイドマップを見てお店に行って、実際に食べた感想を自分の言葉でノートに残してほしい」と野村さんは話します。
アップルパイの記録を残すノートを試作し、商品化。その過程で「アップルパイに限定せず、他のスイーツも記録できた方がいいのでは?」という意見が出たそうですが「アップルパイに特化するノート、の点は、わがままいって貫かせてもらいました」(野村さん)。
「かわいいだけじゃなく、大人の女性も男性も手にとってもらえるようなデザインに」と、表紙のイラストは市内のデザイナーと何度もやりとりして決めたそうです。
「自分だけのアップルパイノートを作ってほしい」
このノートは2020年4月に発売を開始。弘前さくら祭りの時期にも重なりましたが、さくら祭り自体がコロナ禍により中止になりました。その後も観光客は例年と比較し激減していますが、このノートはオンラインショップでも購入できるので、徐々に全国に広まっているそうです。
「行った先々で、自分の好きなアップルパイを記録として残してほしい。形式は問わないので、イラストや写真、包み紙やショップカードなどなんでもいいです。自分だけのアップルパイログノートを作ってほしいです」(野村さん)
スマートフォンやパソコンを使えば、写真を撮って記録を残せて、SNS上に簡単に公開もできる。デジタルで手軽に残せる方法をあえてとらず、手書きする。その手間が愛おしい。
「コロナが明けて旅に出られるようになったら、弘前のアップルパイを堪能する旅に来ていただけると嬉しいです」と話す野村さん。そんなの野村さんのアップルパイログノートは、すでに25種類のアップルパイで埋まっているそうです。
【アップルパイログノート】弘前ふるさと宅急便
https://hirosaki-kanko.shop/items/60dd2d15561e172dc2a97ca
【弘前観光コンベンション協会】
https://www.hirosaki-kanko.or.jp/web/index.html
*TOHOKU360で東北のニュースをフォローしよう
X(twitter)/instagram/facebook