【カンヌ国際映画祭の現場から】コロナ禍でオンライン化が進む映画祭

カンヌ国際映画祭の現場から】世界の主要映画祭の現場を取材し、TOHOKU360にも各国の映画祭のリポートを寄せてくれている映画評論家・字幕翻訳家の齋藤敦子さんの連載。コロナ禍の影響で3年ぶりの訪問となったフランス・カンヌ国際映画祭の現場から、現地の熱気や今年の作品評をお伝えします。

齋藤敦子(映画評論家・字幕翻訳家)】3年ぶりにカンヌに来て気づいた変わったこと。まず去年から会場に入るのにチケットが必要になったことです。これまでは登録したマーケット、ブレス、映画祭関係者にはそれぞれのバッジ(プレスカード)が配られ、それを入口で見せると上映が見られるという簡単なシステムでした。ただし、会場の席数に限りがあるため、人気の作品は列を作って待たねばなりませんでした。コロナ禍で密が問題になり、列を解消するために“事前にチケットをとる”というシステムがすべての上映に導入されました。チケットを持ってさえいれば、早くから列を作って待たなくても映画が見られる、というわけです。

プレスルームの分別ごみ箱

ただし、問題もあります。1つはネットでブッキングをしなければならないこと。チケットのブッキングは4日前の朝7時に始まるのですが、プレス上映が真夜中すぎまであり、翌朝6時半には起きてチケットオフィスにログインする準備をしなければならいのはかなりタフな状況で、睡眠不足の日々が続きます。

また、サーバーの脆弱性も問題で、ブッキングが始まった14日の朝には、大勢が一斉にログインしようとしたのに加えてハッキングもあったそうで、結果、サーバーがダウン。たった2枚のチケットを取るのに2時間以上かかってしまいました(その後、プレスとそれ以外のラインを分けることで、この問題は解決しました)。

コロナ禍になって全世界でオンライン化が進みました。無駄を排してサステナブルな世界を、ということで、カンヌもチケットのブッキングだけでなく、これまで無料で参加者に配っていたカタログやプレスブックをやめ、HPからダウンロードするようになるなど、脱紙化、サステナブル化が進んでいます。無料で配られていたミネラル・ウォーターもプラスチックボトルをやめ、代わりに映画祭のロゴ入り水筒が配られました。

プラスチックボトル入りミネラルウォーターの代わりに給水器

ただ、私のようなアナログ派には、星取り表が楽しみな老舗業界誌スクリーンインターナショナルやフィルムフランセが期間中変わらず(紙で)発行されているのが救いです。

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