地域社会の「いづい」（仙台弁でしっくりこない・居心地が悪い）ことをみんなで考えるYouTube番組「いづいっちゃんねる」。今回取り上げた「いづい」は「地域コミュニティ」。仙台・長町に、ご近所付き合いの希薄化を「ゆるさ」で解決しようとする団体があるらしい…？仙台市市民活動サポートセンターの市民記者による視聴レポートです。
近所付き合いがほとんどなく、不安や孤独も
こんにちは。市民ライターの平塚千絵です。突然ですがみなさんは、何か困ったことがあった時に頼れる、身近なコミュニティはありますか？
私はというと、職場や趣味仲間といったコミュニティはあるものの、地域コミュニティには積極的に関われていないのが現状です。私が現在暮らすのは、私自身を含めアパートやマンションで暮らす人が多い地域です。近所付き合いがほとんどなく、隣近所にどのような人たちが暮らしているのかがよくわからずにいます。
なのでいざというとき、身近に頼れる人がいないと思うと、不安や孤独を感じます。一方で昔ながらの深く関わりすぎる付き合い方にも躊躇してしまうのが正直なところでもあります。そんなことを考えていたときに見た5月19日配信の『いづいっちゃんねる』で、「素敵だな」「関わってみたいな」と思えるコミュニティに出会いました。
ゆっくりと積み重ねていく、地域密着型コミュニティ
その日のテーマは『ゆる～いコミュニティづくりの現場から』、ゲストは、NPO法人スロコミ(以下スロコミ)代表の林久美さんと、副代表の小島英弥夫さん。スロコミは、仙台市太白区の長町商店街にある、高齢者施設の一角にある交流スペース「マイムテラス」を拠点としています。そこで人や企業をつなぐ地域密着の活動を企画・運営。ゆるやかなコミュニティを作る活動をしています。
林さんによると、活動を始めたのは、介護の仕事に関わる中での気づきがきっかけだったそうです。介護サービス利用者の中には認知症の方もおり、地域とのコミュニティの必要性を感じるようになったと言います。また利用者からの「いざというとき隣の人に頼めない」という多くの声を聞く一方で、社会福祉の専門家が介入することで「専門家に任せればいい」と周囲の人たちが離れ、隣近所とのコミュニティが希薄になっていく様子も見てきました。
そこで、身近でいざというときに助けを求められる関係づくりの必要性を痛感し、どのようにすれば実現できるかを考えます。そして、支える人と支えられる人が楽しく一緒に助け合えることを目指し、活動を開始しました。団体が目指すのは、名前の由来にもなっている「ゆっくりと地域に根ざしたコミュニティを作っていくこと」。さらにコミュニティを作る3つのポイントとして①場所②テーマ③共同作業をあげています。
その中の一つとして取り組むのが、「スロコミコーヒー焙煎部」です。マイムテラスにてコーヒーの生豆をカセットコンロで焙煎体験ができる、自由参加のイベントです。居住地域、年齢など問わず、どなたでも予約不要で参加できます。
開催日は毎月第4土曜日午前10時と決められており、その日集まった人たちが一緒に焙煎作業を行います。継続することで、次第に参加者同士が顔見知りになり、会話が生まれ、少しずつ無理のないペースで、コミュニティが形成されていくのだそうです。また活動中は本名ではなく、ニックネームで呼び合うというお話がありました。お互いに声をかけやすいだろうし、気軽に話せると思います。
スロコミさんのお話から、年齢や社会的な立場など関係なく、ゆるくつながれる場があることを初めて知りました。お互いに踏み込まない傾向がある現代の時代にも合っていると感じました。また、このようなゆるいつながりによって、お互いに救われることも多いでしょう。私自身が求めているコミュニティの形でもあります。
ゆるいコミュニティを自分で作っていくには？
番組の最後に「ゆるいコミュニティを作っていくため、私たちにできることは？」という問いかけがありました。小島さんによると「まずは身近な人に対し、先入観を取りはずして、構えずに声をかけてみましょう」という答えでした。
長町の住民ではありませんが、私もスロコミコーヒー焙煎部に「入部」し、ゆるいコミュニティに入り、ゆっくりと関係を築いていきたいと思いました。そして、自分の身近にもゆるいコミュニティを作っていきたいと感じました。
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