【続・仙台ジャズノート#115】寄席でジャズ!?セミナー形式のライブで演奏家が楽しく解説

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

佐藤和文】ときには「難しい」と言われるジャズ音楽をより分かりやすい形で楽しんでもらおうというセミナー形式のライブ「I love JAZZセミナー」が2024年5月18日、仙台市青葉区一番町にある常設の寄席「魅知国定席 花座」(白津守康さん経営)で開かれました。セミナーライブは、熱心なジャズ愛好家・演奏家でもある白津さんの思いが具体化したもので、仙台圏中心に演奏活動をしている若手演奏家、廣海大地(ひろみ・だいち)さん=テナーサックス=、田辺正樹(たなべ・まさき)さん=キーボード=が協力・出演しています。

白津さんは寄席の経営者。学生時代から音楽活動の経験があり、熱心なジャズ愛好家としても知られています。2022年に作家椎浪真平さんとの共著「かしむのなしは」(ミュージシャンの世界独特の語法を生かした書名で「昔の話」の意味)を発表。自分が経営する寄席でもジャズ音楽の普及・啓蒙のための取り組みを始めました。

寄席気分が楽しかったセミナー形式のジャズライブ=仙台市青葉区一番町の常設寄席「花座」で。左から廣海大地さん、田辺正樹さん、進行役の白津守康さん

この日のセミナーライブで進行役を務めた白津さんは「ジャズと落語はとても似ている」と強調していました。白津さんによると、ジャズの中でも、特に電気系システムや電子楽器をあまり使わない「アコースティックなジャズ」ほど落語に似ているそうです。「余計な道具を使わずに自分の身体ひとつで表現するのはジャズも落語も同じ。また、古典落語には一定の定型があるけれども、それだって演じる噺家の感覚や工夫によって自由に表現することが許される。ジャズの場合もテーマ(メロディ)を崩して演奏することが許されるし、アドリブ(即興演奏)をどうするかは演奏家にすっかりまかされる。自由な表現そのものだ」

音楽理論を優しく説明する廣海大地さん

この日の花座(36席)は満席。廣海さんと田辺さんの演奏を間近に感じることのできる魅力的な空間になっていました。生演奏とともにジャズ音楽の歴史や形式について演奏者自身が解説するセミナースタイルは、ありそうで、あまり経験したことのない体験です。

進行役の白津さんに水を向けられる形で廣海さんが説明した「アドリブ演奏の楽しみ方」はジャズ志願中の筆者にとっても興味深い内容でした。廣海さんはアドリブの楽しみ方のポイントとして「インタープレイ」「テクニック」「リズム」の3点を上げました。「インタープレイ」は、演奏者が互いに刺激し合って反応する様子を感じてほしいという点だと思います。「テクニック」の部分は相当ジャズ音楽を聴きこまないと難しい場合もあるでしょうが、この日の演奏は二人だけのデュオ形式だっただけに聴きやすく、「なぜあんな演奏になるのだろう」の感慨も含めて、さまざまな「テクニック」を感じることができました。

楽譜を示しながらコメントする進行役の白津守康さん(右端)

廣海さんが上げた最後のポイント「リズム」の点では、リズムパートも受け持つ田辺さんの奮闘ぶりが感じられました。次回のセミナーではジャズアドリブとリズムの関係をさらに深く掘り下げてほしいものです。

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