【続・仙台ジャズノート#127】「音量に注意」のアラートが届いたよ。

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

佐藤和文】愛用しているスマートホンの画面に見たことのない「アラート」が表示されました。音量に注意するように促す内容でした。ビル・エバンスの「ポートレイト・イン・ジャズ」を聴いていたときのことです。ちょうどスコット・ラファロのベースをはっきり聴きたくて音量を上げていました。なぜアラート?驚きました。スマホのオンラインマニュアルをあらためてたどった結果、一定の期間(たとえば6カ月)について、1週間の音量限度を超えたときに、通知を送信してくれるのだそうです。知らなかった。音量に限度を設ける仕組みがどんなものなのかは分からないのですが、スマホ側で音量を独自に下げるというのだから、けっこうな強制力を伴います。

若いころなら利用者保護と知っても、余計なお世話と感じたかもしれませんが、会社組織を離れ、フリーになってほぼ10年。そう言えば最近、耳の聴こえが悪くなったと感じます。身に覚えがあるんだからどうしようもありません。本来、音楽を楽しむ環境は人によってそれぞれですが、あまり高い音で聴き続けると、身体に悪いのは当然です。耳への負担を回避しつつ音楽を楽しむ工夫をあれこれ考えましょう。

定年退職後、自分の時間を自由に使えるようになり、手元にあるレコード盤やCDを聴き直すのが楽しみになっています。ネットを経由して音楽を聴くことも多くなっています。マンション暮らしがすでに20年。集合住宅ならではの近隣騒音の心配もあって、音楽を楽しむのにもっぱらヘッドホンに頼らざるを得ません。いくら高級なヘッドホンでも、頭の中に視聴空間を閉じ込めるような環境は快適とは言えません。だからこそ、身近なライブに出かけて生音を聴こうというのが、この連載の、本来の趣旨ですが、この先、ヘッドホン無用の音楽環境を期待できそうにない以上、アラートの意味をしっかり受け止める必要があります。

ヘッドホン必須のジャズ環境。工夫する必要がありそうです。

そもそも、音の聴こえが悪くなったように感じるのには理由があります。きっかけは大学のときにドラムで参加したロックバンドでした。低音でリズムを担当するベースアンプがドラムのすぐそばに置かれ、連日、爆音にさらされました。当時はまだ元気だったので、爆音をむしろ歓迎する気分だったのですが、練習が終わると、耳の奥で耳鳴りがするような気がしました。憂鬱だったものです。

この連載では60過ぎてアルトサックスという、初めてのメロディ楽器を手にした筆者が右往左往する様子を記録し、ネットを通じて報告しています。何のためにそんなことをするのか、と問われると、うまく説明できるかどうか自信はないのですが、一つは、何と言っても自分のために記録することが重要。加齢とともにやってくる記憶力の減退に付き合う意味でも、必要なステップです。それと、自分と似た目標に向かっている人とのコミュニケーションが少しでも盛んになるきっかけとして、自分の記事を一人でも多くのみなさんに読んでもらえればと考えています。大音量と聴力との関係も、そのきっかけになるでしょうか。

*この連載が本になりました

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