【続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!)
【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】秋の仙台を彩ってきた定禅寺ストリートジャズフェスティバルが9月10日(土)、11日(日)の両日、3年ぶりに開かれます。新型コロナウイルスの感染拡大が厳しい状況なのを受けて、出場団体数を当初予定した18ステージ、273バンドからさらに絞り込み7ステージ、98バンドまで引き下げることにしたそうです。2019年に比べると出場バンド数では10分の1の規模にまで縮小されることになります。
出場団体が再度、絞り込まれたため筆者が参加している社会人のビッグバンドは出場できなくなりました。残念。ジャズフェスは何と言っても大きな目標だし、時間をやりくりして続けてきた練習は何だったのかという思いにも駆られます。正直なところ脱力感でいっぱいです。
それでもバンド事務局としてさまざまな事柄を担当してくれているメンバーが予約していた練習場を急きょキャンセルするなど、次の目標に向かう準備を進めてくれています。「コロナ野郎め!」。この悪態を最後にしてアマチュアらしく柔軟に進むとしましょう。
ジャズフェスを待つまでもなく、新型コロナの感染拡大によって身近なジャズシーンはかつてないほどに冷え込みました。感染を懸念するムードが急速に広がり、音楽教室に通うのをためらう生徒も増えたようです。筆者の場合は月1回の個人レッスンの形で特別に設定してもらっていたので、コロナによってレッスンの頻度・回数が落ちたということはありません。先生との間に透明な仕切りのある部屋でがっちり1時間、これまでは何の問題もなく指導を受けています。
ただ、同じ教室に通っている生徒さんの様子がまったく見えなくなったのは何となく心寂しい。特に年に1、2回定期的に開かれていた教室全体の発表会がまったくなくなってしまいました。レッスンの成果がどれほど上がったかはともかくとして、定期的に開かれる発表会を通じて、自分自身の様子を確認できる格好の機会となっていました。発表会ではプロの演奏家が1日中付き合ってくれました。自分のつたなすぎる演奏のバックを努めてくれるわけです。緊張するやら申し訳ないやら・・。
「曲の入りはどうするんだっけ?」と先生に聞かれて「最初の4小節をピアノだけでお願いします」とピアノの人に伝える自分。完全に舞い上がっているからこそ言えたセリフです。そんな貴重な経験が、技量とは別の重要な何かを付け加えてくれたのが今ならはっきり分かります。
発表会などで浮き彫りになった訓練生としての筆者の「プロフィール」は以下の通りです。
「基礎練習が圧倒的に足りない」
「本番に実に弱い」
「想定していない“事故”が演奏中に必ず発生し、慌てる」
「課題曲を間違えないで最後まで吹けたためしがない」
「レッスンで確認したことのほとんどが吹っ飛んでしまう」
【ディスクメモ】HUB CAP/FREDDIE HUBBARD(ハブキャップ/フレディ・ハバード)
1961年、ブルーノートに吹き込まれたフレディ・ハバード(トランペット)
の作品です。ジミー・ヒースのテナーサックス、ジュリアン・プリ―スターのトロンボーンとの3管編成。若きフレディ・ハバードの実力を存分に楽しめますが、ドラムの巨匠フィリー・ジョー・ジョーンズを心落ち着けて聴くための1枚でもあります。フィリー・ジョーを地味なドラムだなあと思っている方はぜひおためしください。案外聴く機会のないジミー・ヒースのテナーも音色が魅力的です。
【この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。
これまでの連載はこちら
*TOHOKU360で東北のニュースをフォローしよう
X(twitter)/instagram/facebook