【続・仙台ジャズノート#48】悩ましいのはコードノート

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

【佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】新型コロナウイルスが八度目の拡大期を迎えつつあった2022年末から2023年初めにかけての個人練習では、もっぱら「コードノート」(和音を構成する音)に関する復習が中心になりました。

以下、最も基本となる「ド・ミ・ソ」の形からさまざまなコードを導き出すために作った自己流の備忘録。とりあえず分かりやすいので、キーを「C(ド)」としてコードノートについて考えてみます。キーがCの場合、いわゆるドレミファソラシドの音階を演奏するのに調号や臨時記号がいらないので、一見簡単、分かりやすく見えます。もっとも「とりあえず分かりやすい」というのは、往々にして、落とし穴がある場合が多く、下手すると、簡単なレベルから一歩も進めなくなることもあります。油断できません。

自作の備忘録があれば万事解決-とはならないのが悩みの種

【C】Cトライアド(3和音)

ド・ミ・ソの3つの音から成るのが「Cメジャートライアド」です。「トライアド」はさまざまなコードを導き出すための基本の形と言っていいでしょう。「メジャー」は長調、「トライアド」は3つの音で構成された和音の意味。ちなみに「短調」は「マイナー」です。中学校の音楽の授業ではド・ミ・ソ、ファ・ラ・ド、ソ・シ・レを確か「主要3和音」と習ったような気がします。ピアノやキーボードなどの鍵盤楽器では「ド・ミ・ソ」なら「ルート(根音)」の「ド」と「ミ」の間に鍵盤(ピアノ)が3つ、「ミ」と「ソ」の間に鍵盤が2つ並ぶ和音です。「ファ・ラ・ド」なら「ファ」と「ラ」の間に鍵盤3つ、「ラ」と「ド」の間に鍵盤2つが並ぶ和音です。同様に「ソ・シ・レ」なら「ソ」と「シ」の間に鍵盤3つ、「シ」と「レ」の間に鍵盤2つが並びます。

ピアノやキーボードを使いながら覚えると、「トライアド」の真ん中の音(ド・ミ・ソなら「ミ」。3度の音)を半音下げるとマイナー(短調)になるといったようなことが、単なる理屈ではなく、鍵盤を操作するうえでの実感として身に着くようです。ギターのようなフレットのある楽器なら、同じ押さえのままフレットを上下させるだけでコードを変えることができます。サックスには、そんな便利な(?)使用感もないので、何かと難しいと感じるのは筆者だけでしょうか。

【CM7】Cメジャーセブン

CM7(Cメジャーセブン)は「ド・ミ・ソ」に長7度「B(シ)」を足します。「長7度」が何かを考えると難しくなるので、最初のうちは、メジャーセブンの場合のみ、1オクターブ上のルート「C(ド)」の半音下の「シ」、その他のコード(単なるセブンスやマイナーセブンなど)はさらに半音下の「B♭(短7度)」が「セブンスの音」と覚えました。

【C7】Cセブンス

したがってコードがC7(Cセブン)だったらド・ミ・ソに短7度の「B♭(シ♭)」を足す。「短7度」は1オクターブ上のルート「C(ド)」の全音下の「シ♭」と覚えるわけです。これでも十分ややこしいことですが」・・。ジャズの場合、特にこのセブンスコードが何かと重要で、ここからの展開がアドリブ演奏にとっても、非常に重要な意味を持つようです。

【C6】Cシックス

以下、同様にCトライアド(ド・ミ・ソ)に長6度の「A(ラ)」を足したのがC6(Cシックス)。

【Csus4】Cサスフォー

ド・ミ・ソの「ミ(E)」を半音上げ、「ファ(F)」にする。「sus(サス)」は「suspend」(サスペンド「吊り上げる」)の略。だから半音上げる。

【Caug】Cオーギュメントあるいはオーグメント
ド・ミ・ソの完全5度「G(ソ)」を半音上げる。「aug」は「augment(増強する)」の略。だから半音上げる。「完全5度」とは何かを考えると頭が痛くなるので、ややこしいことはここでもパス。単に「半音を一つはさんで五番目の音を「完全5度」と機械的に覚えることにします。とにかく「ソ」です。

【Cdim】Cディミニッシュ

ルートの「C」に短3度の「E♭(ミ♭)」、減5度の「G♭(ソ♭)」を加える。それぞれの音の間隔がピアノの鍵盤にして2つと、とりあえずは機械的に覚える方が速いかもしれません。

以下、マイナーも同様の音関係。

【Cm】Cマイナートライアド(3和音)

メジャーのド・ミ・ソのミを半音下げる。

【Cm7】Cセブンス

Cmに短7度(上のルート「C」の全音下)の「B♭(シ♭)」を足す。

【Cm6】Cシックス

Cmに長6度の「A(ラ)」を足す。

【CmM7】Cマイナーメジャーセブンス

Cmに長7度の「B(シ)」(上のルート「C」の半音下)を足す。

Cのトライアド(ド・ミ・ソ)からCマイナーメジャーセブンスまでで11のコードパターンになります。さらにルート(主音)がC#、D、D#・・と変化するに伴い、それぞれ12通りのコード群が成立するので、全体としては11×12=132個のコードになる計算です。たまたま筆者の理解可能な範囲で整理した結果なので個数にも意味はありません。

132個のコードと言われると、それだけで気が遠くなります。特に個人的に苦手なのは、各コードのルートに臨時記号がつくやつ。このあたりは実際に演奏してみて身に着けるしかないようですね。(みんなどうやって覚えるんだろう)

とにかく、メジャーの「ド・ミ・ソ」あるいはマイナーの「ド・ミ♭・ソ」のトライアド(3和音)から派生するパターンだけでも覚えられたらラッキー!と考えることにします。筆者の場合は、全然弾けないキーボードを使って、まず左手でメジャーの「ド・ミ・ソ」あるいはマイナーの「ド・ミ♭・ソ」を押さえ、右手の人差し指で残りの必要な音を確認するようにしています。3和音から他のコードが派生するパターンを実感するとともに、和音の感じをつかめれば、和音の構造のようなものがより具体的に実感できるような気がします。ピアノを演奏に使う技術はないので、本当のところ、これがどんな効果を期待できるのかは分かりません。

<次回に続く>

SUNSHINE OF MY SOUL/サンシャイン・オブ・マイ・ソウル/ジャッキー・バイアードトリオ

【ディスクメモ】 1963年10月に録音されたこの作品はチャーリー・ミンガスとの共演で知られるピアニストのジャッキー・バイアードがエルビン・ジョーンズ(ドラム)、DAVID IZENZON(ベース)と組んでいます。フリージャズ系はあまり聴かないのですが、元祖ブルース「セントルイス・ブルース」は聴く価値あり。フリー系の騒然としたサウンドの中で、鮮烈に浮き彫りになるテーマが強烈です。

初めて聴いたころは、フリージャズに聴こえたものですが、今の感覚に当ててみるとそうでもないかもしれません。確かに突然、音量が上がったり、同じフレーズを弾き通しになったりする点ではフリーっぽいのですが、音量や繰り返しを気にしなければ、敬遠するほどでもありません。

そう言えば、最近の若いドラマーさんのなかには、エルビンスタイルを追い求めている人が多いのではないか。トミー・フラナガンとエルビン・ジョーンズとの古い共演作を聴いて最近思ったのとほとんど同じ印象です。

以下、曲目リストです。

▶Side A

  • SUNSHINE
  • CAST AWAY
  • CHANDRA

▶Side B

  • ST.LOUIS BLUES
  • DIANE’S MELODY
  • TRENDSITION  ZILDJIAN
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