【続・仙台ジャズノート#88】スケール、コード…ジャズ習得に次々とあらわれる壁

続・仙台ジャズノート】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?
街の歴史や数多くの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化やコロナ禍での地域のミュージシャンたちの奮闘を描く、佐藤和文さんの連載です。(書籍化しました!

佐藤和文(メディアプロジェクト仙台)】年寄りの冷や水的に60代半ば近くで始めたジャズ志願ですが、右往左往の旅も7年もたつと、自分の立ち位置が次第に見えてきます。現在に至るまで試行錯誤の繰り返しでした。複雑で多くの課題が視界に入ってくると、憂鬱になるので、なるべく自分の好きな曲に即して、楽しみながら進むようにしています。目の前の課題を追うので精いっぱいになると、楽しいはずの音楽が窮屈になりがちです。筆者の場合はジャズ音楽を聴くきっかけとなったブルースの分野を聴きこむ目標を新たに立て、必要ならいつでも楽しい世界に現実逃避することにしています。

最初に立ちはだかった壁は「スケール(音階)」と「コード(和音)」でした。スケールの最も初歩的なものに「メジャースケール」と「マイナースケール」があります。マイナースケールにはナチュラルマイナー、ハーモニックマイナー、メロディックマイナーの3種があります。音階が始まる音(主音)の高さに応じてそれぞれ12種類の音列があるので、メジャー1種、マイナー3種だけで合計48種類に上る計算になります。

特にピアニストやギタリストのみなさんのように、複雑なスケールや和音をモノともしないコード楽器の演奏にはただただ感心させられます。筆者の場合、正直に言えば、メジャースケールのうち臨時記号「#」のついたスケールまではなんとか追いかけました。しかし、臨時記号「♭」がつくメジャースケールやマイナースケール3系列と、その後、新たに表れたスケールについては、スケールとしてまとめて覚える気力がなく、随時、取り上げる曲に即して必要な分だけ覚える練習にとどまっています。我ながらあまりに早い挫折なので、自分でも心配になったほどです。

その後、だいぶたってから分かることですが、たとえばメジャースケールはジャズ理論や実技を進めるうえで、基礎となる性格を有しています。ややこしい問題を迂回したつもりになっても、重要なポイントについては、原点に戻り習得するように迫られるのは当然のことです。

スケールと同様に、種類の多さに半ばギブアップしたのがコードトーン(コードを構成する音)です。個人練習の中で先生に最初に指示された範囲(メジャートライアド、マイナートライアド、メジャー7thセブンス、ドミナント7th)を覚える(うろ覚え含む)のがやっとでした。

コードを覚えるとひとくちに言っても、戒名のように構成音を唱える(これが実は非常に大事)のがやっとのレベルから和音を構成する音の関係をしっかり把握し、アドリブを自在に組み立てられるレベルまで幅がとても広い。正直なところ、ほかの人はどうやって覚え、とっさに使えるレベルに到達するんだろうと不思議に思います。

この連載が本になりました!】定禅寺ストリートジャズフェスティバルなど、独特のジャズ文化が花開いてきた杜の都・仙台。東京でもニューヨークでもない、「仙台のジャズ」って何?仙台の街の歴史や数多くのミュージシャンの証言を手がかりに、地域に根付く音楽文化を紐解く意欲作です!下記画像リンクから詳細をご覧下さい。

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